守る、荷物も働きがいも 世田谷のキャリングケース・コンテナ専業メーカー、フジコーワ工業

2022年6月8日 08時04分
 キャリングケースやコンテナの専業メーカー、フジコーワ工業(東京都世田谷区)が貫くのは、ずばり「プロテクション」。振動や衝撃、温度変化などの過酷な環境でも、荷物を守る緩衝設計が特徴だ。
 自衛隊や東京消防庁ハイパーレスキュー隊、有人宇宙飛行に伴う機材の運搬にも同社製品が活用されてきた。社長の盛谷(もりや)安春さん(73)=写真=は「どんな最先端の電子機器も、必要な時に必要な場所で使えなかったら何にもならない」と語る。
 「PROTEX(プロテックス)」ブランドで個人向けにも展開。ダイビング用品やモータースポーツのヘルメットなど、さまざまな荷物を「守る」ニーズに応えるうちに製品ラインアップは多彩に。「ニッチな市場だが、ニーズがあるならやってやろうと挑戦してきた」と盛谷さん。
 頑丈さゆえに長年の愛用者も多い。二カ月前に修理に持ち込まれたキャリングケースは、旅先で貼られたシールの数々が三十年の使用歴を物語っていた。「出張の多かった父が愛用したスーツケースを、私も使い続けたい」と語る女性からの修理依頼もあった。
 一九〇二年の創業から百二十年。盛谷さんが目指すのは「社員が自分と自分の家族に誇れる企業」だ。新型コロナ禍や部材の高騰などで経営環境は厳しいけれども、社員の働きがいも守りたいと決意している。

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