江戸川区内「ひきこもり」約8000人 半数超が相談せず 区長「ショックな数字」 昨年度調査 40代が最多

2022年6月9日 22時50分
 東京都江戸川区が2021年度、区内約35万世帯(約70万人)のうち、18万世帯を対象に実施したひきこもりの大規模実態調査で、7919人(7604世帯)のひきこもり当事者がいることが分かった。調査対象の24世帯に1世帯の割合にあたり、これまで区の支援を受けた当事者64人を合わせると、約8000人に上る。ただ調査対象の4割強が回答しておらず、実態はさらに多い可能性がある。区によると、こうした大規模調査は全国でも珍しいという。(太田理英子)

◆病気、職場になじめず…

 調査は、15歳以上で給与収入に課税されていない人や、介護など行政サービスを利用していない人を対象とし、昨年7月から今年2月にかけて郵送と訪問で実施。57.2%にあたる10万3196世帯から回答があった。
 年代別のひきこもり当事者で最も多かったのは40代で17.1%。ひきこもり状態になっている期間は、1〜3年未満が28.7%と最多で、10年以上も25.7%いた。きっかけは「長期に療養を要する病気にかかった」「職場になじめなかった」などが目立った。現在の困りごとは「自分の健康」や「収入・生活資金」「家族の健康」との回答が多く占めた。

◆さらに調査を進め、対策を強化する方針

 一方、行政などへの相談については当事者の62%と家族の45%が「相談したことはない」と回答し、多くの当事者が支援に結び付いていない実態が際立った。8日に記者会見した斉藤猛区長は「行政としてはショックな数字で、なんとかして充実させないといけない」と話した。
 区が把握する不登校の子どもを合わせるとひきこもり当事者は9000人超に上る。国の調査に基づく推計人数の約1万人に近いが、今回の調査では42.8%が未回答。斉藤区長は「当事者の顔が見え、やっと個別対応に着手できる」としつつ、「未回答世帯は実態が分かっていない。声が出せない方こそ支援が必要で、改めて1件ずつ調査する」と話した。
 区は今後、回答した当事者らへの追加調査と、未回答の世帯への再調査を実施する方針。11日から当事者と家族のオンライン交流会を始めるほか、新たな居場所づくりや自立支援の場として、区内での駄菓子屋の運営も検討している。

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