小惑星りゅうぐうの砂のアミノ酸は23種検出 グルタミン酸など「生命の源の可能性」 希少隕石と同組成も

2022年6月10日 06時00分
アミノ酸の分析に使われた小惑星りゅうぐうの砂粒

アミノ酸の分析に使われた小惑星りゅうぐうの砂粒

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星りゅうぐうの砂から、「生命の源」とされる有機物のアミノ酸23種を検出したなどとする分析結果の詳細を公表した。
 岡山大などのグループが分析し、その結果を日米の学術誌に発表した。生物の体は20種のアミノ酸でつくられるが、そのうち11種が含まれていた。例えば、脳の信号伝達に使われるグルタミン酸、体内でエネルギー源として利用されやすいアスパラギン酸、皮膚や骨の原料となるプロリンなどだ。
 小惑星には、46億年前に太陽系が誕生した頃の痕跡が残るとされる。中でも、りゅうぐうには炭素や水分が含まれることから、JAXAは、生命が誕生する際の材料となったアミノ酸などの有機物の解明を目標の一つとする。中村栄三岡山大特任教授(物質科学)は「生命の起源物質になる可能性があるアミノ酸が見つかってうれしい。詳しい分析を進めたい」としている。
 一方、北海道大や東京大などのグループは、鉱物などの元素を分析した。その結果、りゅうぐうの砂は、これまでに見つかった約7万個の隕石のうち9個しかない希少な「イブナ型」という隕石と同じ組成を持つことが分かった。橘省吾・東京大教授(宇宙化学)は「太陽系を構成するさまざまな元素を推定するのにも役立つだろう。非常に貴重な試料だ」と話した。
 初代はやぶさが持ち帰った小惑星イトカワの試料は、地球上で最も多く発見される岩石質の隕石と同じ組成だった。(増井のぞみ)

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