女性の政治参画、男性議員は後ろ向き 衆院で初、全議員にジェンダー意識調査

2022年6月10日 06時00分
 衆院は9日、全衆院議員465人を対象にしたジェンダー格差に関する初めての意識調査の結果を公表した。女性議員の数が少ないという認識はほぼ共有されているものの、具体的に増やす方策について、女性が積極的な考えを示したのに対して、男性は後ろ向き。女性の政治参画に対する男性議員の意識の低さが浮かび上がる。(柚木まり、我那覇圭)

◆是正の仕組みの必要性 女性7割超、男性半数未満

 国会議員に占める女性の数について「不十分」「どちらかといえば不十分」と答えたのは、男性が81.3%、女性が92.3%で、ともに高い割合だった。ただ、選挙の候補者に一定数の女性を割り当てるように政党に義務付ける「クオータ制(人数割当制)などの支援制度」が「必要」「どちらかといえば必要」と答えたのは、女性が71.8%だったが、男性は47.0%にとどまった。
 議員数や待遇などの男女間格差是正を促す機関の設置を「必要」「どちらかといえば必要」と答えたのは女性が71.8%、男性は41.1%。国会で女性に対する差別的な固定観念が存在すると感じることがあるかとの問いに、「ある」「どちらかといえばある」と答えたのは、女性が69.2%だったが、男性は28.2%。男女の意識差は大きい。
 自由記述では「議員本人の資質が重要で(女性の)特別扱いは不要」「クオータ制は逆差別をうみかねない」という回答もあった。
 全衆院議員のうち、女性は1割以下の46人。世界経済フォーラムが発表した2021年の男女格差報告(ジェンダー・ギャップ指数)で、日本の政治分野は156カ国中147位だ。
 調査は、女性の政治参画の課題を洗い出す狙いで行われ、各国議会でつくる「列国議会同盟(IPU)」が作成した評価手法を部分的に活用した。衆院事務局が4〜5月、メールで質問し、382人(男性337人、女性39人、未回答6人)から回答を得た。回答率は82.2%。調査は無記名で、政党別の集計はせず、性別、年代別の結果だけ公表した。

◆女性にとっての「壁」男性には見えず

 自民党の高木毅国対委員長は9日、記者団に「女性の思いをしっかり国政に反映させることが必要。(対策を)しっかり議論する」と説明。立憲民主党の青柳陽一郎国対副委員長は「調査結果を基に、すぐに取り組める課題や法改正が必要な問題を分類したい」と語った。
 国会の実態調査を求めてきた上智大の三浦まり教授(政治学)は「男女で認識の差が大きいことが明らかになった。女性にとっての障壁が男性には見えておらず、調査で浮かび上がった課題を男女間で共有する必要がある」と指摘した。

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