義務化した「自転車保険」の加入率 都民は62.8%<深掘りこの数字>

2022年6月12日 06時00分
 自転車事故で他人を負傷させた際などに、損害を賠償できる保険に加入することを条例で義務付ける自治体が増えている。しかし、十分に周知されたとまでは言えないのが実情だ。2020年4月に義務化した東京都が今年2~3月、都内の20歳以上の自転車利用者1004人に尋ねたところ、保険加入率は62.8%だった。増加傾向ではあるが、都の担当者は「加入率の伸びは鈍化してきている。普及啓発に力を入れていきたい」と話す。
 「自転車保険」加入を義務付ける条例を制定した自治体は、都道府県単位では今年4月1日時点で30都府県。au損害保険の調査によると、条例制定が早かった関西の府県では加入率も高い。関東では「努力義務」の茨城を除く6都県が制定し、千葉と栃木は今年7月から施行する。
 義務化が進むのは、保険金で被害者を保護するとともに、賠償責任を負った加害者の経済的負担を減らす必要もあるためだ。過去には自転車事故を起こした加害者側に9000万円超の支払いを命じた判決も複数ある。保険に加入しなくても罰則はないが、加害者が破産し、被害者は十分な補償を受けられないという事態になりかねない。
 対象となる損害保険は「自転車保険」と銘打つ商品だけでなく、自動車保険・火災保険の特約や、クレジットカードの付帯保険など数多い。個人や同居の家族が誤って他人を負傷させた時などに損害を補償する「個人賠償責任保険」を含んでいることが要件だ。(妹尾聡太)

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