カメは人類救う? 海水温予測“甲”上 計器着けデータ収集、成果

2019年12月29日 02時00分
 ウミガメに温度計を着けて海水温のデータを集め、3カ月後の水温変化を高精度で予測することに成功したと、東京大や海洋研究開発機構のチームが発表した。南米沖の水温が上がるエルニーニョ現象が日本に冷夏をもたらすように、海の変化は気候に影響を及ぼす。動物の助けを借りた観測が進めば、異常気象への備えに役立つかもしれない。
 従来は海の表面を見る人工衛星と、深い海で2000メートルまで自動で潜る装置を使って水温を測り、変化を予測していた。だが浅い海では装置が底にぶつかる危険があって使えず、他に継続して水温を測る手段もないためデータが不足し、予測の精度が低かった。
 チームはインドネシアの海岸で、産卵に訪れたヒメウミガメ=写真、佐藤克文・東京大教授提供=5匹に水深と温度を測る機器を着けて放流。餌を取るため100メートル以上も潜水を繰り返すのを利用し、オーストラリアやニューギニア島に囲まれたアラフラ海の海中の水温データを3カ月分、取得した。
 このデータを基に、アラフラ海の3カ月後の温度を計算すると、平年より0.4度高いとの予測になり、衛星で測った実際の値とほぼ一致。一方、ウミガメのデータを使わないと0.2度低いという不正確な予測になった。
 寒い南極の海ではウミガメに頼れないため、代わりにアザラシに測ってもらう試みも始まっている。

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