福島第一 核燃搬出開始、最大5年遅れ デブリ除去21年から

2019年12月28日 02時00分
 政府は二十七日、東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策の関係閣僚会議で、1、2号機の使用済み核燃料プールにある燃料の搬出開始を、現行の二〇二三年度から最大五年遅らせることを正式決定した。廃炉作業の最難関である溶融核燃料(デブリ)取り出しを2号機から二一年中に始める方針も確定し、廃炉工程表「中長期ロードマップ」の五回目の改定をした。
 プール燃料搬出は廃炉作業の主要工程の一つで、炉心溶融を起こした両機の開始時期の見直しは四度目。事故後三十~四十年とする廃炉完了目標は維持したが放射線対策など難題が山積しており達成への影響が懸念される。改定では他に、汚染水発生量を二五年までに一日当たり百トン以下に減らすことも盛り込んだ。
 会議で菅義偉官房長官は「廃炉を確実に成し遂げるべく対策を進めてもらいたい」と求めた。梶山弘志経済産業相は記者会見で、搬出遅れを「安全を第一に考えて見直した。しっかり目標を持って取り組む」と述べた。
 工程表改定を受け記者会見した東電担当者は「個別では遅れもあるが全体の廃炉作業は進んでいる」とし、現時点で廃炉完了目標を変える必要はないとの考えを示した。
 1号機のプール燃料搬出開始は二七~二八年度、2号機は二四~二六年度に遅らせ、いずれも二年程度かけて搬出を終える。放射性物質の飛散抑制強化のためで、1号機建屋では新しく設置する大型カバーの完成が二三年度ごろの見通し。2号機も、搬出機器などの収容設備の新設や、建屋内の除染に時間がかかると判断した。
 三一年までに1~6号機全基のプール燃料計四千七百四十一体の搬出完了を目指すことも明記。事故当時に定期検査中だった4号機では全燃料の搬出を終えている。炉心溶融を起こした3号機は今年四月に搬出作業が始まった。5、6号機の搬出開始時期は未定。
 2号機のデブリ搬出は少量から着手し、十年後の三一年までかけて規模を拡大する。残る1、3号機での搬出の開始時期には触れなかった。
<中長期ロードマップ> 東京電力福島第一原発の廃炉工程表。溶融核燃料(デブリ)や、使用済み核燃料プールに残る燃料の搬出スケジュールなどを設定している。2011年12月に政府と東電が作成し、作業状況などを反映して改定してきた。プール燃料の搬出は予定通り13年11月までに開始され、デブリ取り出し開始は21年中が目標。廃炉完了は41~51年と見込んでいる。

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