子どもの目、機械で検査へ 一部地域、来年度から 「C」だけでは不十分

2019年12月29日 02時00分
 スマートフォンやタブレット端末の普及を背景に、裸眼視力が一・〇未満の子どもの割合が国内で過去最多を更新したことを受け、国は来年度、近視など目の状態を機械で測定する実態調査を小中学生を対象に初めて実施する。「C」形のマークの切れ目を答える従来の方式だけでは、目の状態を調べ切れず、視力障害の原因が正確に分かっていなかった。 (竹田弘毅)
 文部科学省などによると、調査は眼科医と連携し、新学年が始まる二〇二〇年春にも実施する。対象は、一部地域の小・中学生の計数千人となる見込みで、具体的な実施地域は検討中。関係者によると、翌年度以降は全国への調査拡大も視野に入れている。
 国は学校保健統計調査を始めた一九七九年度以降、学校ではランドルト環と呼ばれるC形のマークによる検査を行っている。しかし、この検査では、遠くが見えにくい理由が近視なのか遠視なのかが判別できない。新たな検査では、機械をのぞき込んで目の機能を測定する専用の装置を使用。近視の原因になる眼軸長(目の表面から網膜までの長さ)の伸びや屈折度数、乱視の有無などを調べる。
 同省が十二月に発表した一九年度の調査(速報値)によると、裸眼の視力が「一・〇未満」の小学生は五年連続で増加し34・57%。中学生は57・47%、高校生は67・64%で、小中高とも過去最多の割合だった。同省は装置を使った実態調査のデータを基に対策を練り、教育現場に広げる考え。担当者は「子どもの近視は深刻さが増している。現状を調べた上で有効な対策を打ち出したい」と話す。
 近視の進行を加速させる要因として、スマホの小さい文字を近距離で見続けることが挙げられる。太陽の光に当たる時間が長いほど近視になりにくいとされており、台湾では小学校で屋外教育を増やしている。
 日本近視学会の理事長で、東京医科歯科大の大野京子教授(眼科学)は「アジアでこうしたデータを持っていないのは日本と韓国だけ。ようやく国が重い腰を上げてくれた」と評価する。さらに気象などの環境要因と近視に絡めた詳細なデータが得られれば「全国統一ではなく、地域ごとに合わせた治療ができる」と話している。

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