浅草ロック座 脱・男性オンリー アート感覚 女性ぞくぞく

2019年12月28日 16時00分

浅草ロック座でのストリップショーの様子=東京都台東区で(浅草ロック座提供)

 東京・浅草の老舗ストリップ劇場「浅草ロック座」(台東区)のショーに足を運ぶ女性が増えている。全体の約二割を占め、系列の劇場でも同じ状況という。近年、劇場側は最新設備の映像や音響による「エンターテインメントショー」をアピール。鍛えた体で舞うショーを、若い女性たちが、アート鑑賞の感覚で楽しんでいる。 (天田優里)
 年末の平日の浅草ロック座。午後一時開演のショーではステージホール(定員百三十人)の座席が七~八割埋まった。そのうち女性は約十人。大半が二十代ぐらいの若い世代だ。照明が落とされ、ショーが始まると、踊り子たちに熱い視線を向け、拍手を送った。

◆腹筋ステキ 等身大の姿 共感呼ぶ

浅草ロック座の女子トイレに置かれた感想ノート

 就職活動の合間に秋田県から一人で訪れた女子学生(21)は「興味があって初めて見に来た。彼女たちの頑張りを見て、勇気をもらった」。千葉県の女子学生(22)と女性(25)も「美しくてかっこよかった。まさにアート」と声を弾ませた。
 トイレは男女別に分かれ、女子トイレには感想ノートも。兵庫や広島県など地方から訪れた女性から「女性が生み出す芸術にくぎ付けになりました」「腹筋がステキで筋トレがんばろうと思いました」などとつづられている。
 一九四七年八月に開設された浅草ロック座は、浅草の芸能の殿堂だ。ストリップショーと軽演劇を二本立てで上演する形式は周辺の劇場にも広がり、浅草からは多くの有名コメディアンが誕生した。初代座長に就いた俳優の伴淳三郎は、浅草サンバカーニバルの提唱者として知られる。作家の永井荷風も足しげく訪れ、作品の中にも登場させている。
 浅草ロック座によると、ストリップの客席は戦後長らく男性客たちで占められてきた。最盛期とされる一九九〇年前後もほぼ男性客だった。客層に変化が見られるようになったのは数年前。二〇一六年に女性ファンも多い有名AV女優の引退公演が浅草ロック座で行われたことがきっかけだった。演出家もいるストリップのエンターテインメントショーとしての魅力を知った女性客らがリピーターになったという。
 この勢いを受け、劇場側も一年半前から女性向けサービスを拡充。女性スタッフのアイデアを基に、希望者にはブランケットを貸し出し、化粧室には綿棒や生理用品を並べた。
 浅草ロック座制作部の平井達也さん(45)は「等身大の女性が裸になることで自分の人生をさらけ出し、背負っているものをステージで出しているところに、共感を抱いてもらっていると思う」と手応えを語る。
 浅草の歴史に詳しい江戸川大メディアコミュニケーション学部の西条昇教授(大衆芸能史)は「ショービジネスの中心地だった浅草の中でも、ロック座はひのき舞台だった。映画館や劇場が姿を消す中、二〇一〇年代からデジタル技術を取り入れ始め、女性客を集めるのに奏功している」と話している。

女性客が増えている浅草ロック座

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧