野党、法案賛否バラバラ 内閣提出法案、通常国会で26年ぶりに100%成立 参院選前に異例の与党ペース

2022年6月16日 06時00分
 15日に閉幕した通常国会では、内閣提出の法案(閣法)が26年ぶりに100%成立する異例の与党ペースになった。野党側は国民民主党が予算を含め、主な法案に賛成するなど対応が大きく割れた。各党の投票行動は、22日公示、7月10日投開票が決まった参院選での有権者の判断材料にもなる。(金杉貴雄)

◆麻生氏「これだけ平穏無事、べたなぎは記憶ない」

 「本予算、補正予算、61本の内閣提出法案の全てを会期内に成立させることができた。26年ぶりのことだ」。国会閉会を受けた15日の記者会見の冒頭、岸田文雄首相は誇らしげに語った。
 通常国会で閣法が100%成立したのは1996年以来。自民党の麻生太郎副総裁も党会合で「参院選前の通常国会で、これだけ平穏無事、べたなぎの状態だった記憶はない。それほどいい状況だ」と目を細めた。
 「国会の主役は野党」という言葉があるように、会期の延長がなくても150日の期間がある通常国会は、野党が予算や閣法、政治姿勢などを追及する絶好の機会だ。過去には首相や閣僚らが失言したり、開き直ったりする姿が国民の目にさらされ、国会開会中に内閣支持率が低下する傾向が目立った。
 だが、共同通信の世論調査によると、岸田内閣の支持率は開会直後の1月下旬は55.9%だったが、今月には56.9%となり、逆に1ポイント上昇した。

◆立民は「反対ばかり」の批判恐れ、国民はほぼ同調

 この状況を生んだのは、昨年の衆院選で敗北した野党第1党の立憲民主党が「反対ばかり」と批判されるのを嫌ったのが一因。「提案路線」を掲げて対決姿勢を控え、対決法案になるとの見方もあった経済安全保障推進法にも賛成した。
 立民の馬淵澄夫国対委員長は閣法への賛成率は85%とした上で「議員立法を含め、提案が国会の中で実を結んだ」と自賛。泉健太代表は日本維新の会が「反対ばかり」と立民を攻撃したことに触れ「うその批判をする政党に政治を任せていいはずがない。(維新の本拠地の)大阪で何の実績も出していない」と批判の矛先を向けた。
 他の野党も、これまでとは異なる動きをみせた。国民民主は本予算、補正予算ともに賛成しただけでなく、重要法案にも軒並み賛成し、与党とほとんど変わらない対応だった。維新と国民民主は立民提出の内閣不信任決議案にも反対し、野党の足並みは最後までそろわなかった。
 昨年の衆院選で初当選した社民党の新垣邦男氏(沖縄2区)。15日の党会合で、初めて臨んだ通常国会の印象に言及し「びっくりしたのが与党がどこか、野党がどこかさっぱり分からないこと。庶民との感覚がほとんどずれている政治がまかり通っている」と嘆いた。

おすすめ情報

政治の新着

記事一覧