パナ半導体 来年6月売却 台湾企業に270億円で

2019年11月29日 02時00分

パナソニックセミコンダクターソリューションズの本社=28日、京都府長岡京市で

 パナソニックは二十八日、半導体事業から完全撤退すると正式に発表した。台湾の半導体メーカー、新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)に事業会社の全株式と施設を売却する。売却額は二億五千万ドル(約二百七十億円)。譲渡は二〇二〇年六月一日を予定している。
 パナソニックは事業の売却後も国内の約二千三百人と海外の約百人の雇用は台湾メーカーによって維持されると説明。新潟と富山、京都にある生産や開発を手掛ける拠点も残るという。
 パナソニックは今月二十一日には赤字が続く液晶パネル生産からの撤退を表明するなど抜本的な構造改革を進めている。今後は車載用電池など成長が見込める事業に経営資源を集中するが、先行きは不透明で津賀一宏社長が掲げる再建計画は正念場を迎えている。
 売却するのは半導体事業の中核で新潟県妙高市、富山県魚津市と砺波市に工場を持つパナソニックセミコンダクターソリューションズ(京都府長岡京市)と、パナソニックデバイスエンジニアリング(魚津市)など三会社と中国とシンガポールの二つの半導体事業。パナソニックセミコンダクターソリューションズはイスラエルの半導体メーカー、タワージャズとの合弁会社パナソニック・タワージャズセミコンダクター(魚津市)に49%出資している。
 半導体事業を巡っては日本勢の存在感低下が顕著だ。米調査会社ICインサイツによると、一八年の国・地域別のシェアは日本が7%で、52%の米国、27%の韓国に引き離されている。
 パナソニックの半導体事業は最盛期の〇三年には売上高四千八百億円規模だったが、韓国など競合他社の勢力が拡大し足元では一千億円規模まで落ち込み赤字が続いていた。
<パナソニックの構造改革> 2021年度までに1000億円のコスト削減を目指す。内訳は人件費の圧縮で300億円、拠点集約などで300億円、構造的赤字事業の見直しによる赤字減少分で400億円。半導体と液晶パネルは既に事業撤退を決めた。太陽光事業は赤字続きで早期黒字化が課題となっている。成長の柱と見込む車載事業も不振が続き「再挑戦事業」と位置付け、収益改善に努めている。

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