ウクライナのEU「加盟候補国」入りで結束アピール 仏独伊首脳のキーウ訪問 正式加盟は長い道のりか

2022年6月17日 20時15分
 【パリ=谷悠己】欧州連合(EU)の中核であるフランス、ドイツ、イタリア3カ国の首脳が16日にウクライナの首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談し、同国をEUの「加盟候補国」として早期に認定すべきだとの考えを表明した。ロシアの軍事侵攻に対する「欧州の結束」をアピールした形だが、EU加盟の実現には長い道のりが待ち受けている。

(右から)フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相、ウクライナのゼレンスキー大統領、ルーマニアのヨハニス大統領=16日、キーウで(AP)

 「私たちは皆、ウクライナが直ちにEU加盟候補国となることを望んでいる」。ゼレンスキー氏との共同記者会見でEU議長国フランスのマクロン大統領はこう述べ、ショルツ独首相とドラギ伊首相も同調した。
 
 他の欧州首脳らが続々とウクライナ入りする中、初訪問となった3首脳。フランスは和平を模索するマクロン氏の「ロシアに屈辱を与えてはならない」との発言がウクライナの反発を買い、ドイツはシュタインマイヤー大統領のキーウ訪問が過去の対ロ姿勢を問題視したウクライナ政府に拒否されたことで、関係の冷え込みが指摘されていた。仏紙フィガロは「マクロン氏の訪問の目的は関係の再構築だった」と報じた。
 訪問の“手土産”の形で浮上したウクライナのEU加盟候補国入りだが、すぐに加盟が実現するわけではない。経済の安定や法の支配など厳しい基準を達成する必要があり、最近加盟したクロアチアは申請から10年を要した。
 汚職のまん延が指摘されるウクライナには「15~20年かかる」(ボーン仏欧州担当相)との見通しが示されており、マクロン氏は加盟交渉中の国が加入できる新たな政治的枠組みの創設を提唱している。
 それでも、EU首脳会議で候補国入りが認められれば、2月末の申請から異例の早さとなる。現在の候補国5カ国のうちセルビアは申請から4年かかり、6年前に申請したボスニア・ヘルツェゴビナは前段階の「潜在的加盟候補国」の位置付けにとどまっている。
 仏独伊首脳に続きフォンデアライエン欧州委員長も17日、ウクライナと3月に申請していたモルドバを加盟候補国に推薦することを発表。23、24日のEU首脳会議でその是非が協議される。オランダやデンマークなど早期加盟手続きに慎重な国もあるが、マクロン氏はウクライナの加盟候補国入りについて「希望の象徴であり、ロシアへのメッセージになる」と仏テレビで強調した。

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