イノシシ 上京次々 台風で森林流され 多摩で目撃増

2019年12月21日 16時00分
 東京都内で多摩地域を中心に市街地での野生イノシシの目撃が増えている。相次ぐ台風や大雨で河川敷の森や林が流され、すみかを失ったことなどが原因とみられる。野生イノシシは豚コレラ(CSF)の感染源の一つとされる。自治体や警察は見かけても近寄らないよう呼び掛けている。
 多摩川に近く、市境を接する国分寺、国立、立川の三市で十五日、イノシシが相次いで目撃された。最初は午前十時四十五分ごろ、国分寺市西町付近で民家の林に体長一メートルほどのイノシシがいると一一〇番があった。午後にはJR国立駅前や、立川市役所がある同市泉町で計十四件の目撃情報が寄せられ、警察が捕獲しようとしたが見失った。イノシシはその後も立川市内で目撃が相次いでいる。
 九月から十月にかけては国営昭和記念公園や、多摩川を挟んで立川、国立両市と接する日野市でも出没。市や日野署によると、十月十八日には市内の道路で体長一・二メートルのイノシシが車に突進し、衝突して死んだ。市の担当者は「多摩川水系の上流から、川沿いを下ってきたのではないか」と話す。多摩川の上流側で日野市と隣接する八王子市でも今月、支流の南浅川沿いで目撃されている。
 区部でも、足立区の荒川河川敷で今月二日からイノシシの目撃情報が相次いだ。区によると、三日午後八時ごろに鹿浜橋付近で確認されたのが最後という。
 野生動物の生態に詳しい東京農工大の小池伸介准教授(生態学)によると、森林と住宅地の間にある里山に人が立ち入らなくなり、関東地方でもこの十年ほどでイノシシの生息域が住宅地の方へと広がり、都心部にも近づいている。それに加えて台風15号や19号などの影響で「大雨で河川敷の林が消滅し、すみかにしていたイノシシが街に出てきたとみられる」という。

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