広がる脱プラ製ストロー 環境配慮紙や木、ガラス製へ

2019年11月28日 02時00分

スターバックスコーヒージャパンが導入する紙製ストロー(左)と現在提供している緑色のプラスチック製ストロー(右)=東京都千代田区のスターバックスコーヒー丸の内ビル店で

 プラスチックごみによる海洋汚染を防ごうと、プラスチック製のストローを代替材料に切り替える動きが広がっている。「脱プラスチック」の方針を打ち出したスターバックスコーヒージャパンは、2020年夏ごろまでに紙製ストローに切り替える。メーカーが代替品を開発する動きも加速している。 (嶋村光希子)
 年間二億本のストローを提供するスターバックスコーヒージャパンは来年一月中旬から段階的に紙製ストローに切り替えると発表。三月中には国内の全千五百店で紙製を導入する。耐久性や使い心地の検討を重ねたといい、担当者は「プラ製よりコストはかかるが、投資をしてでも環境への配慮を進めたい」と話した。
 プラスチックごみをめぐっては、大阪で六月に開かれた二十カ国・地域(G20)首脳会議で、プラごみによる汚染を五〇年までにゼロにする目標を掲げ、企業の間でも削減を目指す動きが出ている。
 外食チェーンでは、ガストなどのすかいらーくグループやジョイフルがプラ製ストローを廃止。コンビニでもセブン-イレブン・ジャパンが、アイスコーヒーなどのストローを植物由来の素材や紙製に切り替えた。
 メーカーも代替品の開発を急ぐ。文具やアルバム製造のナカバヤシは、ジャガイモを主成分にしたでんぷんのりで接着した国産紙ストローを生産している。紙のストローの製造は主に中国でさかんで、日本製の紙を使い、製造も国内で行うのは珍しい。大手企業の社員食堂などに納入する予定で、広報担当者は「環境にやさしく口に入れても安心して使えるとアピールしたい」と語った。
 このほか、木や竹、金属、ガラスなどの素材でできたストローも市場に出回る。
 ただ、コストや品質面では課題も残る。
 タリーズコーヒーは昨年十月、東京都の協力を受け、都庁内の店で一カ月間、紙製ストローでの提供実験をした。だが、プラ製に比べコストが大幅に高く、客からは「ふやける、吸いづらい」との声もあったことから紙製は当面取りやめた。十月からはトウモロコシを主原料としたバイオマスプラスチック配合のストローを導入する。担当者は「今後、紙製の普及が進めばコストが下がり、導入しやすくなる」と期待する。
 ニッセイ基礎研究所の中村洋介主任研究員は「企業の取り組みは評価できるが、ストローはプラごみの中でも大きな割合でなく、レジ袋や包装パックなどもあり問題のごく一部」と指摘した上で「ストローをきっかけに企業と消費者が一歩踏み込んで議論し、対策を広げられるかが重要」と語った。
<プラスチックごみ> プラスチックは世界の海へ毎年800万トン以上が流入。紫外線や波の力で5ミリ以下のマイクロプラスチックとなり広がる。魚介類から検出され、生態系への影響が問題となっている。

ナカバヤシが開発した紙製ストロー=同社提供

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