福島第一 核燃料搬出23年度断念へ 1、2号機プール5年程度先送り

2019年12月20日 02時00分
 東京電力福島第一原発1、2号機の使用済み核燃料プールの燃料搬出で、政府と東電が、目標だった二〇二三年度の作業開始を断念する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。放射性物質の飛散対策強化などのため最大五年程度先送りする方向で調整し、廃炉工程表「中長期ロードマップ」の改定にも反映させる。改定では、汚染水発生量を二五年までに一日当たり約百トンに減らすとの新たな数値目標を示すことも判明した。
 プール燃料搬出は廃炉作業の主要工程の一つで、一一年の事故で炉心溶融を起こした1~3号機では特に難易度が高い。1号機は、かつて一七年度に始める目標があり、そこから起算すれば十年以上の遅れも見込まれる。事故後三十~四十年としている廃炉完了時期に影響する可能性もある。
 3号機は今年四月、予定から四年遅れで搬出が始まったが、機器の不具合などで作業は中断しがちだ。事故当時に定期検査中だった4号機では全ての搬出を終えている。
 関係者によると、プール燃料の搬出開始は1号機で四、五年程度、2号機で一~三年程度の先送りを想定している。
 事故で屋根などが崩れた1号機建屋は、がれき撤去による放射性物質の飛散防止をより万全にする目的で、上部全体を大型カバーで覆う新工法を採用。二三年度ごろのカバー完成を目指すため燃料搬出が遅れる。2号機も、搬出機器などを収容する施設を新たに整備すると決めたばかりで、準備期間が必要と判断した。
 原子炉建屋内のプール燃料は溶融核燃料(デブリ)取り出しを含む廃炉作業のリスクとなるため、搬出して構内の共用プールに移す必要がある。
 未使用燃料も含め1号機に三百九十二体、2号機には六百十五体が残っている。汚染水は、デブリへの注水や地下水流入に伴う現状一日当たり約百七十トンの発生量を、二〇年に約百五十トンに、二五年までに約百トンに減らす。

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