違反高齢者に運転試験義務化 免許更新時 22年度導入目指す

2019年12月20日 02時00分
 警察庁は十九日、一定の違反歴がある高齢者に対する「運転技能検査」を創設し、免許更新時に試験を義務付ける方針を固めた。コース上で実際に運転する状況を判定し、合格しなければ免許更新できないようにする。衝突被害軽減ブレーキなどを備える安全運転サポート車(サポカー)が条件の限定免許も新設。来年の通常国会に道交法改正案を提出し、二〇二二年度をめどに運用開始を目指す。
 七十五歳以上が過失の最も重い第一当事者となる交通死亡事故は一八年、前年比四十二件増の四百六十件発生。今年四月には東京・池袋で車が暴走し母子が死亡した。深刻な事故情勢や将来の高齢運転者の増加に対応するため、技能検査とサポカー限定免許を柱とする対策強化を打ち出した。検査は不合格でも繰り返し受検可能とする。
 警察庁によると、技能検査は教習所などで行い、右左折や一時停止などがスムーズにできるかどうかを採点評価する。対象年齢は七十五歳以上か八十歳以上とする案が浮上している。
 七十五歳以上の運転者のうち過去三年で何らかの違反があった人は約二割に上る。検査対象とする違反は検討中で、信号無視や大幅なスピード違反などを想定。合格者は、さらに現行の認知機能検査を受ける流れを見込む。
 サポカー限定免許は本人の申請で取得できる制度を想定。免許の自主返納を考える高齢者のほか、運転に不安がある人にも新たな選択肢となる。
 対象の車種は技術実用化の動向を見極めて決める。サポカーは先進安全技術を搭載した車の総称で、ペダル踏み間違え時の急加速防止機能が付いた高性能タイプもある。
 七十歳以上が免許更新時に必要な高齢者講習の「実車指導」で、受講者全員の運転技能レベルを判定し通知する制度も導入する方針。違反歴がない人も対象となる。結果にかかわらず免許更新できるが、客観的な指標を示し安全運転を促す狙いがある。技能検査と同等の内容で十段階評価を軸に調整している。
 七十五歳以上の免許保有者は団塊世代も加わる二三年に、約七百十七万人に達すると予測されている。

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