海外から謎の着信…「国際ワン切り詐欺」にご注意を!

2019年12月19日 12時19分
 見知らぬ海外の電話番号から携帯電話に着信があり、出ようと思ったらすぐに切れた―。こんな不審な電話が相次いでいる。かけ直した際に利用者が支払う電話料金の一部が犯罪グループに入る、「国際ワン切り詐欺」と呼ばれる新たな手口の犯罪とみられている。不審な番号にはかけ直さないといった注意が必要だ。(稲垣太郎)

アセンション島からかかってきたワン切り電話の着信画面(三上洋氏提供)

◆「アセンション島!?」

 「電話が鳴ったので思わず出てしまったら、音楽が流れて中国語か韓国語で話す男性の声がした」。ツイッター上には、南大西洋に浮かぶ英領アセンション島から謎の着信があったことを驚く投稿が相次いでいる。

 こうした電話が確認されるようになったのは二〇一七年。NTTドコモは、一定数以上の問い合わせがあった不審な番号の一部を公表して注意喚起している。

◆カメルーン、ラトビア、チュニジアからも

 同社は一七年七月、ホームページに「『+675』から始まるパプアニューギニアからの不審な国際電話の着信が確認されています」と記載。その後、カメルーンやラトビア、チュニジアなどからも同様の電話がかかっていたことが分かり、同社が把握できた発信元は二十三カ国・地域に及んでいる。

 独立行政法人「国民生活センター」によると、全国の消費生活センターにも一七年以降、「かけ直してしまった」「着信している時に出た」「不審な着信が履歴に残っている。この番号は何なのか」といった相談が寄せられている。

◆折り返しの通話料 犯罪集団に利益か

 ITジャーナリストの三上洋氏は「着信番号にかけ直すと、携帯電話会社から国際電話料金を請求される。その一部が相手先の電話会社に支払われるとともに、結託している犯罪グループにキックバックされる仕組みになっているのではないか」と説明。発信元は新興国・地域も多く、電話会社の中に不正に手を染める職員がいるといった事情があると考えられる。

 三上氏は、犯罪グループは自動的に電話をかけてワン切りできるシステムを使っていると推測。時間を長引かせて通話料を高くするため、外国語で音声アナウンスを流したり、「あなたの家族と友人が待っています。会話したければこのまま待機してください」といった日本語の声が聞こえてきたりすることもあるという。アセンション島にかけると、三十秒当たり二百円前後の通話料がかかる。

◆不審な番号にはかけ直さない!

 相手に電話をかけさせることで利益を狙う手法は、過去にもあった。〇〇年代には、ワン切りしてかけ直してきた相手にわいせつな音声を聞かせ、後に高額料金を請求するという手口が横行。NTT東日本・西日本が徴収を代行し、設置者に料金が入るサービス「ダイヤルQ2」に巧みに誘導する業者のやり口が社会問題化したこともあった。

 情報通信に関する法律に詳しい岡村久道弁護士は「海外にいる振り込め詐欺グループが摘発されており、国際ワン切り詐欺の拠点があってもおかしくない。日本の警察による摘発は期待できず、利用者への啓発が必要だろう」と話す。

 対策が進むなどしていったんは沈静化しても、犯罪グループは新たな手口を考えるもの。仮に少額だとしても不愉快な思いをしないためには、利用者自身が学んで自衛するしかなさそうだ。

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