マスク外せない日本の「同調圧力」 信頼失った政府のコロナ対策<参院選・くらしの現在地④>
2022年6月19日 06時00分
蒸し暑い梅雨空の下、通勤する大人も、登校する子どもも大半がマスクを着けている。一方、各地で熱中症患者の救急搬送が相次ぐ。
「日本は狂っている」
東京都足立区の事務職ホラー・由理子さん(41)は、海外の友人からそう言われた。長女(7)が通う小学校では、体育の授業で教師がマスクを外すよう指導しても、子どもたちはかたくなに着けたまま。「親から『外すな』と言われているようだ。昔からの同調圧力。子どもも大人から感じ取っている」
新型コロナウイルスの被害が米国や英国より抑えられてきた背景に、自主的な行動制限やマスク着用など、国民の努力があったことは疑いようがない。だが、コロナ禍が長引き、マスク着用への同調圧力は強い力を帯びるようになった。
この2年、政府の新型コロナ対策は検査や緊急事態宣言、ワクチン、五輪開催などを巡って迷走した。今、感染リスクが低いとして、屋外で子どもにマスクを外させるよう再三呼び掛けるが、応じる動きは少ない。コロナ後を見据えた政府の「出口戦略」はいまだ、はっきりとは見えてこない。(沢田千秋、原田遼)
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