参院選東京選挙区 任期満了迎える現職6氏の国会活動をチェックした

2022年6月20日 06時00分
 参院選(6月22日公示、7月10日投開票)で、全国の選挙区で有権者数、改選数ともに最も多く、首都決戦として注目を集める東京選挙区(改選数6)。今期限りで引退する意向を明らかにしている人などを含めて現職6氏が、選挙後の7月25日に任期満了を迎える。6氏の任期中の活動を、重要法案の採決時の賛否や、国会の「花形」とされる予算委員会での発言などをもとに振り返る。(横山大輔)
 まもなく任期満了を迎える6氏は、当選回数順に▽小川敏夫氏(立憲民主党、当選4回)▽中川雅治氏(自民党、当選3回)▽蓮舫氏(立憲民主党、当選3回)▽竹谷とし子氏(公明党、当選2回)▽朝日健太郎氏(自民党、当選1回)▽山添拓氏(共産党、当選1回)。このうち、小川氏と中川氏は今期限りでの引退を表明しており、今回の参院選には立候補しない。

 [目次]
  ▽1ページ目 「チェックの方法は?」「6氏の法案賛否」
  ▽2ページ目 小川氏、中川氏、蓮舫氏の任期中の活動
  ▽3ページ目 竹谷氏、朝日氏、山添氏の任期中の活動

◆チェックの方法は? 法案採決時の賛否、質疑での発言、議員立法…

 国会議員の仕事は幅広く、政府や国会の外でもさまざまな活動をしている。政策課題の現場や当事者からの情報収集、所属する党内の仕事などで多忙にしている議員は多い。そうした中でも、やはり議員の資格がなければできない国会内での仕事は重要だ。
 国会内では、議員たちは本会議や委員会に出席し、質問をしたり、採決で賛否を表明したりする。与党の議員なら、大臣や副大臣、政務官など政府の役職に就くこともあり、その場合は政府を代表して質問に答える側に回る。時には法案を自ら考えて議院に提出し、成立を目指す「議員立法」も行う。
 議員の活動をすべてチェックするのは難しいが、こうした国会内での仕事はすべて後世に記録が残る。こうした記録を通して、議員の仕事ぶりの一端を確かめることは可能だ。
 今回は、任期中に世論の関心を集めた主な法案の採決時に6氏がどういう投票行動をとったのかをまず紹介する。その後に一人一人について、予算委員会での発言や、務めた役職、議員立法の提案件数、質問主意書の提出数をまとめる。議員立法の提案数は国立国会図書館の「日本法令索引」に基づいて、質問主意書は参議院が公開しているデータに基づいて、それぞれ昨秋の臨時国会までの件数を示した。
 

質問主意書 国会議員が国政のさまざまな問題を内閣に問いただす文書。政府は原則7日以内に回答する義務があり、政府の統一見解として「答弁書」を閣議決定する。国会開会中ならいつでも提出することができ、特に野党議員にとっては委員会などでの限られた質問機会を補う重要な手段になっている。

◆6氏の重要法案の賛否は・・・

 この6年間で社会の関心を集めた主な法案5件の本会議採決における、6氏の投票行動を振り返る。
【改正組織犯罪処罰法】
 改正組織犯罪処罰法は、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設するのが柱。政府、与党は「テロ対策で国際社会と連携するために法整備が不可欠だ」と主張した。これに対する反対論として「犯罪と無縁の国民が、警察のさじ加減一つでプライバシーをひそかに侵害され、なぜ調査対象になったかも分からず傷つけられる重大な危険がある」などがあった。
【働き方改革関連法】
 働き方改革関連法は、▽高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ、残業代ゼロ制度)」の新設▽残業時間の罰則付きの上限規制▽正社員と非正規労働者の不合理な待遇差をなくす「同一労働同一賃金」-が主な内容。高プロについては「長時間労働や過労死を助長する」との懸念が強かった。国会審議の前に、政府が法案作成に活用した裁量労働制に関する厚生労働省調査に不適切なデータ処理があったことが発覚した。
【改正公職選挙法】
 改正公職選挙法は、▽参院の定数を242から248に6増▽参院比例代表で政党ごとに優先的に当選する候補者を指定できる「特定枠」の導入-が柱。いずれも自民党が提案したもので、特定枠は「1票の不平等」を是正するため2016年参院選から導入された「鳥取・島根」「徳島・高知」での合区で、選挙区から立候補できなくなった候補者らを比例代表で優遇して救済する狙いがあった。さらに、特定枠を設けることで当選できなくなる比例代表候補を救済するための定数増もセットにした。これに対して「選挙制度の私物化」との批判が噴出した。
【カジノを含むIR整備法】
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法は、ギャンブルの場であるカジノの設置を解禁するもの。自民党などが議員立法して2016年に成立したIR「推進法」を、政府がさらに具体化した法律と言える。安倍晋三首相(当時)は「観光や地域振興、雇用創出などの大きな効果が見込まれる」と経済活性化策の目玉に位置づけたが、経済効果を具体的な数値で示すことはできなかった。反対する議員からは、民営賭博を合法化することや、膨大な規制の詳細を法律ではなく国会の議決を必要としない政省令に委任していることなどに強い懸念が示された。一方、16年のIR推進法の採決では、公明党が党として賛否を決めずに自主投票としたが、竹谷氏は賛成に回った。このほか中川氏、朝日氏は賛成し、小川氏、蓮舫氏、山添氏は反対していた。カジノを巡っては、推進法を提案した自民党や日本維新の会の衆院議員がパチンコ企業やスロットマシン製造企業から資金を受け取っていたことが明らかにもなった。
【改正新型コロナウイルス特措法】
 改正新型コロナウイルス特措法は、既存の新型インフルエンザ等対策特措法を改正したもので、適用対象に新型コロナを加え、政府が私権制限を伴う緊急事態宣言を発令できるようにすることが主な内容。「現行法でも対応が可能」として法改正は必要ないとの声もあったが、感染拡大の危機にある中で、多くの野党が成立に協力した。緊急事態宣言の要件が不明確で、集会や報道の自由が脅かされる懸念も出た。
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