<ぎろんの森>よりよい選挙制度探りたい

2022年6月20日 07時31分
 衆院選小選挙区の新しい区割り改定案が十六日、岸田文雄首相に勧告されました。国勢調査に基づいて「一票の不平等」を是正するものですから、二〇二五年までに行われる次の衆院選から実施するのは当然でしょう。
 自民党内には、党の選挙地盤でもある地方の定数が減るため異論もあるようですが、党利党略を捨て、憲法が定める「法の下の平等」の実現を目指さねばなりません。
 とはいっても一票の格差は法律が定める二倍をわずかに下回っただけで、完全な平等を実現したとも言えません。
 区割り変更は二百八十九選挙区のうち半数近くの百四十に上ります。小選挙区制を前提とする限り、五年に一度の国勢調査の度に区割り変更の可能性はあります。有権者が戸惑うのは当然です。
 小選挙区制は導入当初から民意を正確に反映しないとも指摘されてきました。当選者以外に投じられた「死に票」が多い制度だからです。
 小選挙区で落選した候補が比例代表で復活当選することへの違和感もあります。
 現行制度の問題点をこれ以上、放置すべきではありません。本紙は十七日社説で「衆院区割り案 抜本改革が避けられぬ」と指摘しました。
 ただ、どんな制度が望ましいのかは難しい問題です。論説室でも議論を続けていますが結論には至っていません。
 例えば、一票の格差を減らし、民意をより正確に反映するには、小選挙区制から比例代表を基本とする制度への移行が一案に挙げられます。
 でも政権交代の可能性が遠のくかもしれませんし、党執行部に権限や権力がさらに集中する恐れもありますので、にわかには同意できません。
 難しい問題だからこそ、国会議員が幅広く議論して、よりよい選挙制度の在り方を考え、実現してほしいのです。参院選後、次の国会が始まったら、区割り改定にとどまらず、制度自体についても議論を始めるべきです。それが国民を代表する国会の役目でもあると思うのですがいかがでしょうか。 (と)

関連キーワード


おすすめ情報