「何としても騒音なくす」 横田基地周辺住民が「3次訴訟」 オスプレイ飛行差し止めも求める

2022年6月21日 06時00分
 米軍横田基地(東京都福生市など)の周辺住民1282人が20日、米軍機と自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めや騒音被害への損害賠償を国に求める「第3次新横田基地公害訴訟」を東京地裁立川支部に起こした。2018年配備の米軍輸送機CV22オスプレイの終日の飛行差し止めを新たに訴えた。

東京地裁立川支部に向かう「第3次新横田基地公害訴訟」の原告ら=20日、東京都立川市で

 訴状によると、原告の居住地は福生市や埼玉県入間市など8市町。騒音で耳鳴りなどの健康被害や睡眠妨害を受けたと主張し、オスプレイ以外の米軍機と自衛隊機は午後7時~午前7時の飛行差し止めを求めた。
 オスプレイについては、騒音被害が深刻で墜落の具体的な危険性があるとして、昼夜を問わず離着陸しないよう求めた。損害額は、過去3年から将来にかけて1人あたり月2万2000円の支払いを請求した。
 同種訴訟の確定判決では過去の賠償しか認められず、飛行差し止めと将来分の賠償を退けてきた。このため住民は、騒音が続く限り訴訟を起こさなければ賠償を受けられない状況にある。横田基地の周辺住民は1976年から提訴を繰り返している。
 提訴後の原告団報告集会で奥村博原告団長(71)は「横田基地の騒音被害を何としてもなくしていきたい」と語った。(林朋実)

◆騒音は「鼓膜をドンドンつつかれる感覚」

自宅の台所で「オスプレイが通ると、この窓がガタガタと揺れるんです」と後藤千恵子さん=東京都八王子市で

 「鼓膜を後ろからドンドンとつつかれているような感覚。他の航空機の騒音とは別物だ」。米軍横田基地の滑走路から約5キロの東京都八王子市内に住む後藤千恵子さん(73)は、輸送機CV22オスプレイの騒音に心を乱されてきた。第3次新横田基地公害訴訟の原告の1人として静かな空を切望している。
 後藤さんによると、多くの航空機の騒音が10数秒で収まるのに対し、オスプレイは回転翼のバラバラという音が通過して聞こえなくなるまでに1分以上。不快感が強く、台所の窓もガタガタと揺れる。「1日に何度も聞くと胸がどきどきして気分が悪くなる」と表情をこわばらせる。
 墜落の危険性も差し止めを求める理由だ。2016年12月、沖縄県名護市沖の浅瀬に米海兵隊のMV22オスプレイが不時着、大破し、オスプレイ配備が決まっていた横田基地の周辺住民に緊張が走った。「これだけ人口が密集している所で飛ばす米軍も、それを許す日本政府も、どういうことなのか」。米空軍が発表した19年10月~20年9月のCV22の重大事故率は10万飛行時間当たり6.58件で3年連続上昇。後藤さんは沖縄の事故当時に感じた不安を今も拭えない。
 静かで安全な生活を望む住民の声は米軍の都合で軽んじられてきた。オスプレイ配備前の日米合意で、回転翼を上向きにする「ヘリモード」での飛行は米軍施設内に限定された。だが、後藤さんが自宅上空で見るオスプレイは大抵ヘリモード。1993年の日米合意で午後10時~午前6時の飛行は制限されているが、深夜や未明の飛行はなくならない。「最低限の約束すら米軍は守らない。我慢の限界はとっくに超えている」(林朋実)

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