「物価高」巡り攻防 与野党9党首 「国民を見ていない」「無責任、矛盾だ」 防衛費財源や改憲も議論

2022年6月22日 06時00分
 22日公示の参院選を前に、与野党9党首による討論会が日本記者クラブで行われた。国民のくらしを直撃する物価高をはじめ、ロシアのウクライナ侵攻が続く中での防衛力強化と安全保障、改憲の必要性などの課題にどう対処するのか。各党が主張を戦わせた。(山口哲人、井上峻輔、大野暢子)

◆自民の「無策」印象付け狙う立民 与党は消費税引き下げ策を批判

 「物価高で質問したい。焦点はゼロ金利(政策)と(政府が買い付けて業者に売り渡す)小麦価格に絞られている。円安を放置するのか。ゼロ金利を見直し、小麦は4月に17%上げたのを即時引き下げるべきだ」
 立憲民主党の泉健太代表は討論冒頭、自民党総裁の岸田文雄首相に仕掛けた。
 小麦に関して、首相は現状の価格を維持する考えを示し、金利政策は「総合的に判断」と話すと、泉氏は「小麦は上がったまま。円安基調は変わらず、国民の方を見ているとは思わない」と畳みかけた。
 立民は、物価高対策を参院選の最大の焦点に据える戦略で、岸田政権が無策だと印象づけたい考え。泉氏は過去の賃金下落に伴い、今春から公的年金の支給額が減額になったことも取り上げ「物価高の中で引き下げられたにもかかわらず、対策はなかった」と追及。れいわ新選組の山本太郎代表は「消費税廃止で景気を爆上げしたい」と訴えた。
 与党は、立民が掲げる消費税率の時限的な5%への引き下げを攻撃。公明党の山口那津男代表は泉氏に財源を問い、国債との答えを引き出すと、社会保障の財源として消費税増税を決めたのは泉氏も所属した旧民主党政権だと指摘し「それを放棄するのは無責任、自己矛盾だ」と批判した。

◆防衛費大幅増、改憲でも姿勢違い鮮明に

 国内総生産(GDP)比2%以上を念頭にした防衛費の大幅増、敵基地攻撃能力の保有など、自民党が公約した防衛力強化を巡っても火花を散らした。
 社民党の福島瑞穂党首は、2%だと防衛費は倍増の約11兆円で「世界3位の軍事大国になる」と指摘。共産党の志位和夫委員長も「参院選前に5兆円以上の増額の財源を示さないのは不誠実だ」と問い詰めた。
 首相は「政府としては数字ありきでは一度も言っていない」と反論。必要な装備などの中身と予算、財源は「年末の新しい国家安全保障戦略の策定に向けて議論する」と言及を避けた。
 改憲でも各党の姿勢の違いが鮮明になった。
 最も積極姿勢を示したのは日本維新の会の松井一郎代表。首相に「来春の統一地方選挙に合わせて発議すべきだ」と迫った。首相は日程には触れなかったものの、9条への自衛隊明記など自民党の改憲4項目は「極めて現実的で緊急を要する問題」と改憲に前向きな姿勢を重ねて示した。
 泉氏は「国民生活の向上が最優先課題。今、憲法を変えないと問題があるかといえば、そうではない」とけん制した。

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