投票率アップが選挙結果に影響か 新人勝利の杉並区長選「変化求め投票」 物価高争点の参院選は?

2022年6月22日 06時00分
 参院選の最大の争点は、物価高対策だ。過去10回の参院選をみると、消費税増税や年金など暮らしに密接に関わるテーマが争点になった選挙は投票率が上がり、選挙結果に大きな影響を与えてきた。識者は新人が現職を破った東京都杉並区長選でも物価高が影響して投票率が上がったと分析。国政でも同じ傾向があると指摘する。(村上一樹、砂上麻子、奥野斐)

◆「財布に直結する問題」で投票へ

当選し支持者と喜び合う岸本さん=東京都杉並区で

 20日開票された杉並区長選は、政治経験のない無名の無所属新人で、公共政策研究者の岸本聡子氏(47)=立民、共産、れいわ、社民推薦=が、議会多数派の自公が支える無所属現職で4選を目指した田中良氏(61)らを破った。
 投票率は2018年の前回より5ポイント以上も高かった。岸本氏の支援者で応援演説をした武蔵大社会学部の永田浩三教授(メディア社会学)は「長引くコロナ禍で生きづらさが広がる中、変化が求められた」と分析する。
 東北大の河村和徳准教授(政治学)は「財布に直結する問題があると、普段選挙に行かない人も投票所に足を運ぶ」と指摘。杉並区長選でも「物価高や食料品の値上げなどが影響して、変化を求めて投票に行った人は多い」とみる。
 杉並区長選で岸本氏と現職の差はわずか187票。一般的に投票率が上がれば、組織票の割合は下がるため、無党派層の動向が選挙結果を左右し、岸本氏の当選につながったとみられる。
 岸本氏の支援者はそれぞれ、駅前などで有権者に政策を説明する「ひとり街宣」を展開。通りがかった人と対話を重ね、公約をバージョンアップした。岸本氏は当選後「私の選挙じゃなくて、みんなの選挙をやりたかった。皆さんの声をもっと聞きたいという気持ちが、特に女性に響いたと思う」と勝因を分析した。

◆参院選「突風も」 投票率最高の1998年は首相退陣へ

 参院選では各党党首が物価高対策に力を入れる。河村氏は食料品の価格高騰などで「投票率が急上昇する可能性もある。参院選は政権選択選挙でないため、突風が吹くこともある」。
 過去10回の参院選のうち、最も投票率(選挙区)が高かったのは1998年の58.84%。前年に金融機関が破綻するなど景気減速の中で行われた。橋本龍太郎首相(当時・以下同じ)の恒久減税を巡る発言の迷走などで自民党は惨敗。橋本氏は引責辞任した。
 次いで2007年の58.64%。約5100万件の持ち主不明の年金記録の存在が発覚し「消えた年金」問題と呼ばれ、自民は歴史的な大敗を喫した。安倍晋三首相は2カ月後に辞任した。
 その次は10年の57.92%。政権与党だった民主党の菅直人首相の消費増税発言などで民主党は敗北。参院での議席が過半数割れし「ねじれ国会」となった。

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