貧困支援、多様性ある社会の実現、若者の政治参加…私が参院選に望むこと

2022年6月23日 06時00分
 参院選が22日に公示され、物価高対策や防衛力増強の是非、改憲などを巡る論戦が始まった。これらの争点のほかに、貧困支援や多様性ある社会の実現、若者の政治参加の充実も引き続き課題となっている。当事者たちに、政治に望むことを聞いた。
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◆困窮は広がっている。対象線引きしないで

認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」の大西連理事長=山下葉月撮影

 東京都庁前で毎週土曜日に開かれる食品配布会は今年に入り、毎回約500人が訪れている。実施団体の一つ、認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(新宿区)の大西れん理事長(35)は「困窮は広がっている。対象を線引きせず、幅広い人に向けた支援策を議論して」と訴える。
 新型コロナの感染第1波の2020年4月ごろは路上生活者らが中心だったが、今では家や仕事がある人も利用するように。大西理事長は「生活保護を受けなくても、慢性的な困窮状態にある人が、食費などを節約するために来ているのではないか」と推測する。
 こうした人は国の支援の対象にならないケースも多い。「もろい生活基盤の上で自立しているとみなされる。家賃補助や児童手当といった生活の基礎となる負担を減らすなど、実効的な政策を実行すべきだ」と政治家に求めた。(山下葉月)

◆同性婚、国会は整備を

「同性婚の法整備を」と話す山本そよかさん=奥野斐撮影

 女性パートナーとともに11年間、都内で暮らす性的少数者(LGBTQ)当事者の山本そよかさん(37)は「同性婚ができず常に不安を抱え、苦しむ人がいる。国会は法整備に取り組んで」と求める。
 同性カップルは、配偶者向けの優遇税制を受けられず、互いに法定相続人になれない。緊急時、病院でパートナーに面会できないこともある。同性婚の法制化を求める声は少なくないが、20日には大阪地裁が同性婚を認めない今の制度を「合憲」と判断した。
 コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻で経済対策や安全保障への関心が高まる一方、多様性の課題は後回しにされがちだと感じる。それだけに「人権問題にも積極的な人を見極めたい」。
 今回はLGBTQの当事者も複数出馬した。「多様な人がいる社会を反映できる国会になれば。女性議員も増えてほしい」(奥野斐)

◆「熱量のある政治家」に期待

同世代の政治参加を期待する小木曽涼さん=佐藤航撮影

 通信制のN高校3年の小木曽涼さん(19)=神奈川県藤沢市=は、選挙や政治について学ぶ部活動「政治部」のメンバー。有権者として初めて一票を投じた2021年衆院選では、地元や東京で数々の候補者の街頭演説に足を運び、各陣営の主張に耳を傾けた。
 選挙と向き合って感じたのは、有権者と候補者が議論を深める場が少ないこと。自らの名前や主張を連呼する演説が多く、有権者の質問を受けるタウンミーティングを開く候補者はほぼいない。「失言のリスクもあるから、議論に消極的なのかもしれない。そういう体質は良くないと思う」
 社会を変えようという志を持った「熱量のある政治家」が増えることを期待する。環境やジェンダーの問題など、時代の変化に素早く対応できる政治が実現することを望み、次代を担う1人として一票を投じる。(佐藤航)

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