バッグをフリマで売り生活費に 安い商品求めて買い物自転車で40分 物価は上がるが年金下がる…<くらし直撃~2022参院選>

2022年6月23日 06時00分

候補者陣営がビラ配りをするなか、商店街を歩く有権者ら=22日、東京都武蔵野市で

 22日午後、東京都武蔵野市のJR吉祥寺駅前。新人男性候補は演説で「物価上昇」の言葉を何度も口にしていた。
 「夫の晩酌を毎晩から2日に1回にしてもらった」。近くのディスカウント店で子供服を見ていた同市のパート従業員川崎麻子さん(41)は苦笑した。食べ盛りの中学2年と小学4年の子どももおり、節約は習慣化した。安売り菓子専門店で、4歳の息子と買い物に来た日野市の主婦(33)も「教育費をためたいから、独身時代に使っていたバッグなどをフリマサイトで売って生活費に充てている」と話した。
 北区のJR赤羽駅前から延びる赤羽スズラン通り商店街。青果中心のディスカウントストア「激安本舗」は、夕食の食材を求める人がひっきりなしだった。
 週に3日ほど、この店に通う近所の主婦田中厚子さん(75)は「値上げがコロナみたいにずっと続いたら困るわね」とため息。この日は74円のキャベツと96円の大根を購入した。大手スーパーの半額ほど。少しでも安い商品を求めて電動自転車で片道40分かけて買い物に行くこともある。「熱中症には気をつけなくちゃ」
 買い物中の無職男性(70)は「物価は上がるのに年金は下がる」と嘆き、「国会議員に国民の痛みは分からないだろう」。
 葛飾区のJR新小岩駅近くの商店街。夫婦2人の年金暮らしの同区の江原そのこさん(79)が、靴屋の店頭で税込み990円のスニーカーを品定めしていた。
 「毎日の買い物で、前は1回2000円に収めていたのが今、3000円を超えちゃう。5つ買っていたのを我慢して4つにしたり、買い物の回数を減らしている」。節約のために買い置きの缶詰をおかずにし、冷蔵庫の残り物で済ませることも。「政治家には、まずは自分たちの給料を半分にしてほしいわね」とこぼした。
 杉並区の東京メトロ南阿佐ケ谷駅近くの精肉店「肉の兵庫屋」にはガラスケースに1つ100円のハムカツなどが並び、昼時を過ぎても来客が絶えなかった。
 毎朝調理する店主の高野よし子さん(80)は「油は値段が3倍になったけど、お客さんに申し訳なくてすぐに値上げなんかできない」とこらえる。ただ税負担は軽くならず、年金は減る一方。「一番影響を受けるのは私たちみたいな末端の小売店よ」と声を落とした。(参院選取材班)
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 長引くコロナ禍で痛んだ日々の暮らしに、物価高が追い打ちをかける。参院選の候補者が駆ける街で、有権者の声に耳を傾けた。
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