<働くシニアの生き生き相談室>第4回 70歳まで働き、社会貢献したい

2022年6月23日 07時15分
<相談> 保険会社に勤務しています。還暦が目前に迫り、今後の働き方を考えるようになりました。
 65歳の定年まで勤めた後も、公的年金の受給開始を70歳に繰り下げ、それまでは働いて収入を得たいと考えています。取得したFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かして、むしろ異業種にチャレンジしてみたい気持ちが強いです。
 一方で、高齢者の雇用情勢は厳しいと聞きます。果たして、自分の経験や知識を生かせる仕事が見つかるのか、地域貢献など社会に役立つ仕事ができるのか不安を抱いてます。高齢者雇用の現状や、定年後も生き生きと働いている方の事例などを教えてください。 (59歳男性、会社員、東京都)

◆謙虚さ忘れず 柔軟にトライを

<回答者・西川由喜さん> 65歳以降を「なるようになる」ではなく、「今、考えてみる」。そして、ここにご投稿くださったことがスタートですね。しかも、異業種へのチャレンジとはすてきです。
 ご心配の「高齢者の雇用情勢は厳しい」は、正しくて間違いだと思います。会社の看板を背負っている現役時代と同じ好条件を求めれば、確かに不利でしょう。でも、高望みをせず学ぶ姿勢があれば、経験値が高いので歓迎されるでしょう。
 ある人事担当者は、最も大切なのは「人柄」と言います。具体的には「自分から挨拶(あいさつ)ができ、常に謙虚な方」です。そのような方は必要な知識やスキルを自ら学び、磨くから。「なあんだ」と思うかもしれませんが、結局、資格よりコミュニケーション力や周囲への貢献志向です。
 私のビジネス研修の受講者で、百貨店の人材教育部門を65歳で退職した後、マンション管理人に採用された方がいます。そこで百貨店時代に培ったマニュアル作成の腕前を発揮したところ、意欲と出来栄えを認められ、新ポストの管理員インストラクターに抜てきされました。71歳になった今でも管理人約70人の育成に携わるなど活躍し、「前職よりやりがいを感じる」と話しています。
 これまでとは異なる環境だからこそ、気付かなかった自分の付加価値を発見する方も大勢います。そのためには「自分がやりたいこと」を頭に描き、情報をキャッチするアンテナを高く掲げることが重要です。脳内シミュレーションばかり繰り返さず、試行錯誤する心のしなやかさやフットワークの軽さも必要ですね。(定年後研究所監修)

<西川由喜さん> 1963年、神戸生まれ。建築大手のグループ会社を経て2016年に研修会社WINTHを起業。ライフデザイン・アドバイザー。

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 「70歳現役時代」を迎え、定年後の働き方や転職、移住、社会貢献など、ミドル・シニアの疑問や悩みを募集します。人生の転機に転職や起業を経験した6人が交代で答えます。

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