参院選埼玉 公示 4議席懸け過去最多の15人舌戦火ぶた

2022年6月23日 07時39分
 参院選が公示された二十二日、埼玉選挙区(改選数四)には現職三人、新人十二人の計十五人が立候補し、十八日間の選挙戦が始まった。二〇〇一年の十三人を上回る過去最多の候補者が乱立。与党は協力して「自公で二議席」を目指し、野党はそれぞれが党勢の拡大を図る。各候補者は駅前などに立ち、物価高や新型コロナウイルス対策、格差の解消、教育政策、消費税などをテーマに自説を訴え、支持を求めた。

◆選挙区立候補者(届け出順)

(4…15)改選1増 
宮川直輝 49 N新 建設会社代表
加来武宜 41 維新 弁護士
高木真理 54 立新 (元)県議
湊侑子 39 諸新 幸福実現党員
関口昌一 69 自現<4> 党参院議員会長
上田清司 74 無現<1> (元)知事 「国」
梅村早江子 58 共新 (元)衆院議員
河合悠祐 41 N新 会社社長
西田実仁 59 公現<3> 党参院会長 「自」
高橋易資 65 無新 大学非常勤講師
堀切笹美 47 諸新 不動産業
小林宏 49 N新 建設業
坂上仁志 60 諸新 会社社長
池高生 53 N新 ゲーム会社社長
西美友加 50 れ新 弁護士 
 党派の略称は、自=自民、立=立民、公=公明、維=維新、共=共産、国=国民、れ=れいわ、N=N党、諸=諸派、無=無所属
 候補者の年齢は投票日基準

支持者とともに拳を突き上げる候補者(手前)=いずれもさいたま市で

◆与党 「政権安定」「持続的賃上げ」

 五選を目指す自民党現職の関口昌一さん(69)は、浦和駅前で出陣式に臨んだ。党参院会長として物価高や新型コロナなどに政府とともに対応するとし、「多くの課題に対して政権を安定させることが大事だ。何としても勝利し、『さすが自民だ』と言ってもらえるように先頭で取り組む」と力を込めた。
 大宮駅前では安倍晋三元首相が応援に立ち、自衛隊を明記する憲法改正など党の公約を挙げて「日本の平和を守り抜く」と強調。県選出の国会議員や県議らも集結し、目標のトップ当選に向けてエールを送った。
 四選を狙う公明党現職の西田実仁さん(59)=自民推薦=は大宮駅前で第一声に臨み、物価高に対して「それぞれの地域の実情に応じた対策ができるよう国として一兆円の臨時交付金を用意した」と与党の実績をアピールした。
 また、持続的な賃上げが必要と指摘。「人や設備への投資で働く環境を改善し、生産性を引き上げることによって持続的に賃金を上げることができる」とし、その環境を整えるための「大胆な税制支援をやらせてほしい」と訴えた。石井啓一幹事長らも応援に駆け付けた。

◆野党 「人に投資」「消費税の減税」

 立憲民主党新人の高木真理さん(54)は、さいたま市浦和区で第一声。野菜の価格高騰などの話題から物価高に触れ「本当なら(対策は)閉会前の国会で補正予算でやらねばならなかった」と岸田政権を批判した。
 かつての技術立国が「周回遅れ」になっているとし、高等教育無償化など人に投資すべきだと指摘。「皆さんに声を上げていただき、動けば変わる国政にしたい」と訴えた。応援演説で泉健太代表は「自民の議席が増えれば論戦がなくなる国会が待っている。おかしいことはおかしいと立ち上がろう」と呼びかけた。
 昨年の衆院選に続く躍進を狙う日本維新の会の新人加来武宜さん(41)は浦和駅前でマイクを握った。「この第一声が改革のうねりとなり、県民の大きな声になることを実現する」と切り出し、「改革」という言葉を何度も繰り返した。
 経済の停滞や少子高齢化への危機感を訴え、「今の自民に日本の苦境を変えられるとは思えない。新しい選択肢を維新が提供したい」と強調。野党第一党の立民への批判も展開した。藤田文武幹事長が応援に駆け付け、「争点は自民の一強体制でいいのかどうかだ」と迫った。
 共産党新人の梅村早江子さん(58)は浦和駅前で「暮らしに希望をつくる」と呼びかけた。「値上げをつくり出したアベノミクス。さらに(高齢者の)医療費を二倍にしようとしている。こんないいかげんな政治はない」と歴代の自公政権を批判。物価高の今こそ消費税減税が必要だと訴えた。
 仕事と子育ての両立がしやすい社会にするため、長時間労働の是正や育休取得の促進、給食・医療費の無償化も掲げた。埼玉選挙区で自公や維新が議席を獲得すると「憲法改悪の流れを埼玉からつくってしまう」として、阻止を訴えた。
 れいわ新選組新人の西美友加さん(50)は、さいたま市大宮区で第一声を上げた。「消費の足かせになっている消費税を廃止することで景気の足がかりをつくる。公共投資にお金を使って国が直接高い賃金を払う。民間企業も賃金を上げざるを得なくなる。この景気の好循環をつくりたい」と主張した。
 ガソリン価格の高騰について「ガソリン税をゼロにするべきだったのに、政府がやったのは石油元売り会社に対する補償。その結果が石油元売り会社の空前の黒字です」として、岸田政権を批判した。
 NHK党の新人四人は立候補の届け出後、県庁前でそろって第一声。宮川直輝さん(49)は「人生百年時代。お年寄りに優しい政治をやる。そのためには子育て支援が必要」として、十八歳までの子どもに月五万円を支給する政策などを訴えた。河合悠祐さん(41)は受信料を払う人だけがNHKを視聴できるようにするスクランブル化を掲げ、小林宏さん(49)は国内での大麻解禁に公約を絞ると主張。池高生さん(53)は「朝日新聞をぶっ壊したい。解約したら一万円配る基金をつくる」と持論を展開した。

◆無所属・諸派 実績強調 外交面訴え

 再選を目指す無所属現職の上田清司さん(74)=国民推薦=は浦和駅前で「知事として埼玉を大きく変えた自信があります」と声を張り、民間防犯パトロールの増加や高校生の中退率低下などを実績として挙げた。
 新型コロナウイルスのワクチン開発に日本が出遅れたことを引き合いに、「教育科学立国を一番に掲げていく」と宣言。夕方に秩父駅前で行った出陣式では、義務教育期間中は給食費などを国が負担することや、経済再生と格差是正の必要性を訴え、「モデルは地方にある」と力説。大野元裕知事も応援に駆け付けた。
 諸派(幸福実現党)新人の湊侑子さん(39)は大宮駅前の街頭演説で、ロシアによるウクライナ侵攻に対する政府の対応を批判。戦争を止めるため「ロシアとの外交ルートを取り戻さなければならない」と訴えた。
 埼玉選挙区では他に、無所属新人の高橋易資さん(65)、諸派新人の堀切笹美さん(47)、諸派新人の坂上仁志さん(60)も立候補を届け出た。

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