東海第二老朽化 原電の評価法に疑義 茨城県チームに質問書 科学者・技術者の会 

2022年6月23日 07時47分

東海第二原発の圧力容器の中性子照射脆化について記者会見する「科学者・技術者の会」=県庁で

 日本原子力発電東海第二原発(東海村)周辺の原子炉メーカーや研究機関出身者のグループ「東海第二原発地域 科学者・技術者の会」が、東海第二の老朽化に関する質問書を県原子力安全対策委員会のワーキングチーム(WT)に提出した。原子炉圧力容器の鋼材が中性子を浴びてもろくなる「照射脆化」を巡り、原電の評価法に問題があると批判。原電に回答を求めるようWTに要請している。
 照射脆化が進むと、炉心冷却による温度変化などで圧力容器が瞬時に割れるリスクが高まる。そのため、大手電力各社は容器の内側に鋼材と同じ材質の「監視試験片」を入れ、一定の運転期間ごとに取り出して脆化の程度を調べている。
 同会は、(1)東海第二の圧力容器の炉心付近は六枚の鋼板を溶接して作られているが、試験片は鋼板一枚から切り出され、容器全体を代表していない(2)溶接部付近は金属の組成が熱の影響で変化しており、もともとの鋼板(母材)とは別に監視する必要がある−と指摘。(2)について、原電は「母材の監視だけで代表できている」との見解を示す一方、WTで溶接部付近の監視を求められても明確な回答を避けてきたという。
 東海第二では四セット入れていた試験片を既に全て使い切っており、原電は「再生加工」して圧力容器内に戻す計画だ。これに対し同会は、溶接部の再生は技術的に不可能だと疑問視。原電が公表している試験結果に、鋼材が照射前より強くなっているとのデータが含まれる不自然さについても尋ねている。
 二十一日に県庁で質問書を提出後、記者会見した服部成雄代表(元日立製作所)は「WTはこれまでも原電の評価法に疑問を呈しているが、原電にはぐらかされている。明確な回答を引き出してもらいたい」と促した。(出来田敬司)

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