ウラン売買容疑で書類送検 ネット通じ 小金井の高校生ら

2019年12月10日 16時00分

男子高校生の自宅から押収したウラン化合物

 インターネットのオークションサイトで放射性物質のウランが売買された事件で、警視庁生活環境課は十日、原子炉等規制法違反容疑で、出品した長野県安曇野市の男性派遣社員(24)と、購入した東京都小金井市の男子高校生(17)、茨城県古河市の男性薬剤師(61)を書類送検した。
 高校生は購入したウランを精製、販売しており、毒劇物取締法違反容疑でも書類送検された。
 原子炉等規制法違反の送検容疑では、派遣社員は二〇一七年十月~一八年一月ごろ、金属ウランやガラス管に入ったウラン化合物を含む粉末を三回にわたり、高校生と薬剤師に計約六万円で販売したとされる。
 三人とも容疑を認め、派遣社員は「海外サイトから仕入れた。放射線を出す物は入手困難なので売れると思った。小遣い稼ぎでやった」と供述している。
 毒劇物取締法違反容疑では、高校生と別に神奈川県藤沢市の男子大学生(18)も書類送検された。二人とも容疑を認め、高校生は「十八歳未満では購入できない物があり、大学生に協力してもらった。ウラン化合物を精製し、コレクションに加えたかった」と供述している。
 一七年十一月、原子力規制庁に「ヤフーオークションでウランを売っている」との情報があり、高校生が落札していたことなどが判明。売買されたウランは警視庁が全て押収している。

◆「興味本位」自宅で精製

 書類送検された男子高校生は、自宅の「実験室」でウラン鉱石から粉末を精製していた。調べに、興味本位だったという趣旨の説明をしているという。
 警視庁生活環境課によると、高校生が精製したウラン化合物は純度20%程度。法令で核燃料と定義される60~80%には達していなかった。放射線量は毎時〇・一~〇・六マイクロシーベルトで、医療用レントゲンで受ける五〇マイクロシーベルトと比べても百分の一程度だった。
 ウランの所持や譲渡には原子炉等規制法に基づく許可が必要。だが、原子力規制庁によると、天然ウランや劣化ウランは三百グラム以下なら、同庁に年二回報告書を提出すれば所持できる。
 国内では現在、約千八百の企業、大学、個人などがウランを所持している。
 元警察官で国際テロ対策に詳しい日本大の河本志朗教授(危機管理学)は「少量でもインターネットでウランが売買されていたことで市民への不安は大きい。東京五輪・パラリンピックを控えてテロ対策を強化する中、監視網を徹底する必要がある」と指摘した。 (木原育子)

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