東京・あきる野市長が議会解散 7月に市議選 特養設置問題で不信任決議に対応

2022年6月23日 22時00分
議長、副議長に市議会の解散を通告する東京都あきる野市の村木英幸市長㊧

議長、副議長に市議会の解散を通告する東京都あきる野市の村木英幸市長㊧

 条例に定められた手続きを経ずに特別養護老人ホームの設置を進めようとしたとして市議会から不信任決議を受けた東京都あきる野市の村木英幸市長(65)は23日、議会を解散した。地方自治法に基づき、議会解散か自らの失職を迫られていた。市議選は7月17日告示、24日投開票の日程で行われる。
 村木市長は、23日に開かれた市議会本会議終了後、議長、副議長に解散を通告した。その後の記者会見で「高齢者福祉を進めるのが市長選の公約。議会が何に対して憤っているのか、よく分からない」と市議会側の対応を批判。「(市議会が)市長の執行権を侵害する危険性が高い」と解散の理由を説明した。
 一方、市議会側も会派代表者らが記者会見した。議長だった中嶋博幸氏は「合意形成を取りながら政策を進めるべきだ。(市長を辞職して)市民に直接審判を仰ぐべきだった」と強調。市長与党だった共産党の田端あずみ氏は「条例を無視する、ということを公言している。その状況をさすがに許すわけにはいかない」と話した。ほとんどの会派代表は、市議選後に再び市長の不信任決議案を提出、賛成する意向を示した。
 市選挙管理委員会は同日、市議選の日程を決定した。前回の市議選は昨年6月に行われたばかり。地方自治法の規定によると、解散後に初めて招集された議会で、新議員の過半数で不信任決議案が再び可決された場合、市長は失職し、市長選が行われる。
 村木市長の不信任決議案は16日に市議会の各会派が共同して提出。市議21人のうち、20人が賛成して可決された。(布施谷航)

◆地方議会の解散、葛飾区、足立区でも前例

 総務省によると、地方議会の解散は主に3パターンある。東京都あきる野市のように首長が不信任決議を受けて踏み切るケースと、住民による解散請求、首長選と同時選にするためなどの自主解散という。
 2018〜20年度では全国の5市町村議会で解散があった。このうち不信任によるケースは、町長のセクハラ疑惑を理由に不信任決議案が可決され、町長が議会を解散した群馬県みなかみ町など3件あった。
 東京都では葛飾区で1993年9月、区長のヤミ献金疑惑で区議会が不信任決議案を可決、区長は潔白を訴えて解散した。直後の区議選で反区長派が多数を占め、区長逮捕後の11月に2度目の不信任決議案が可決されて区長は失職した。
 足立区でも99年4月、区政運営を巡り区長と対立を深めた区議会が不信任決議案を可決。解散後の区議選を経て、不信任決議案が再可決され、区長が失職した。
 2020年7月には千代田区議会が、虚偽説明を理由に区長を刑事告発すると議決。これに対し区長は「事実上の不信任に当たる」として議会に解散を通知したが、東京地裁に「不信任の議決がされたとはいえない」と判断され、解散されなかった例もある。(奥野斐、砂上麻子、加藤益丈)

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