半世紀前の生演奏、CDに 足利市在住の国際的ギタリスト柿沼さん 

2022年6月24日 07時52分

編集作業中のCDジャケットを手に語る柿沼さん=足利市で

 欧州各国で数百回の演奏会を開いた国際的ギタリストで、指導者の柿沼宏嗣(ひろつぐ)さん(77)=栃木県足利市大町在住=が、人生初の生演奏音源を収めたCD「イタリア キエリ大聖堂コンサート」を7月3日にリリースする。音楽関係者が絶賛する「アルハンブラの思い出」の名演奏などが収録された半世紀前の音源。柿沼さんは「教え子らに背中を押されてCD化を決断した」という。(梅村武史)
 「生演奏は聴衆と一体となって生み出す芸術なので録音をしない主義だった。レコード、CD化する音源はスタジオ録音に限定してきた」という柿沼さん。二十九歳の時、イタリア北西部の都市キエリ(キエーリ)の大聖堂で行った演奏を、教え子の一人が隠れてカセットテープに録音しており、それを知った柿沼さんは激怒して世に出すことを封印していたという。
 その後、関係者の間で音源が出回り、今年二月にはイタリアの音楽協会会長を務める元教え子が「生涯忘れられない傑作演奏」と雑誌に投稿。大きな話題となり、封印を解くことにしたという。
 一九四四年、足利市で生まれた柿沼さんは、ギタリストの小原安正さんに師事。スペインで巨匠アンドレス・セゴビアらから学び、欧州各地で演奏会を開催してきた。イタリア国立音楽院などで指導者としても活躍、伝説的ギタリスト、ナルシソ・イエペスとも親交が深かった。同市の行道山で九度にわたる野外音楽祭を主宰し、地元の音楽振興にも貢献してきた。
 十四曲収録のCDは雑音が多く混じるものの、観衆の熱気が伝わり、ライブ感満点。柿沼さんは「半世紀前の演奏で自分では評価できない。多くの方々に聴いて、感じてもらいたい」と話していた。CDは一枚二千二百円(税込み)。柿沼さんのフェイスブックから購入できる。

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