子ども急増で校庭足りない 足立区立「新田学園」 450メートル先に整備

2019年12月10日 16時00分

新田学園の第1校舎(手前)と第2校舎(左奥)。周囲にはマンション群が見える=東京都足立区で、本社ヘリ「あさづる」から

 児童生徒数が千八百人を超す東京都足立区の区立小中一貫校「新田(しんでん)学園」の校庭と校舎が来春、三カ所に分散する事態となっている。マンション開発で児童生徒が急増する中、保護者からは「子どもが好きな場所で遊ぶこともできない」などと不満の声も上がる。 (奥野斐)
 新田学園は区立小と中学校を合わせて、二〇一〇年に第一校舎のみで開校した。当時の児童生徒数は約七百七十人だったが、その後も増え続け、一八年には千八百人台を突破した。
 第一校舎(四階建て)と第二校舎(五階建て)に分かれており、第一校舎では小学五年~中学三年の通常学級二十七クラス計約九百六十人が学ぶ。第一校舎から約百五十メートル離れた第二校舎には、小学一~四年の通常学級二十五クラス計約八百八十人が通う。このほか、両校舎には特別支援学級がある。
 第一校舎には、体育館と校庭があるが、第二校舎には体育館はあるものの校庭はなく、屋上広場や中庭を代用している。
 第二校舎の小学一~四年生が体育の授業で校庭を使えるのは、学年ごとに週一回に限られる。休み時間も校庭は使えず、屋上広場や中庭の利用も学年ごとに割り当てられ、自由に遊べない。一カ所に大勢が集中して事故にならないための苦肉の策だ。
 区は、第二校舎から約四百五十メートル離れた小学校跡地に、校庭を整備し、来年四月からの利用開始を目指している。
 土肥和久校長は「新校庭ができれば余裕が生まれるので最大限活用したい」と話すが、新校庭までバスでの移動を余儀なくされるなど使い勝手の悪さや校庭整備を巡る区の見通しの甘さから、保護者からは不満の声が上がる。
 長女の小学生を通わせる母親(45)は「好きな場所で遊べない状態は続く上、非常時の避難はどうするのか。子どもの環境や安全を区はどう考えているのか」と憤る。学区内に住み、再来年に小学校入学の子どもがいる母親(43)は「子どもの環境を一番に考え、長期的な視野で街づくりをしてほしい」と求めている。

◆他地区へ通学困難 「分校陳情」望み薄

 新田学園のある足立区新田地区にはかつて、電炉メーカーの大規模工場があり、周囲は町工場や住宅が混在していた。1996年に電炉メーカーの工場が移転し、跡地でマンション開発が始まった。2004~10年に約2840戸が供給され、子育て世帯が急激に増えた。
 一方、荒川を挟んで隣接する足立区の鹿浜、江北の両地区では、児童数の減少で小学校の統廃合が進む。新田地区の一部学区を両地区に組み込めば児童数のバランスはとれるが、新田地区から他地区に通う児童は交通量の多い環状7号などを通る必要がある。
 新田学園の保護者らのグループは9月、第1校舎に隣接する公園を校庭にする案や、校庭を備えた分校を新たに建設する案などを足立区議会に陳情した。
 分校設置について区教委の学校適正配置担当課の担当者は「数年後に児童生徒数が減少に転じる見通しで、現状は考えていない」と話す。

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