乱射事件相次ぐ中、アメリカで正反対の決定 最高裁は銃規制の法律を「違憲」 上院は銃規制法案を可決

2022年6月24日 21時05分
アメリカ連邦最高裁

アメリカ連邦最高裁

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米連邦最高裁は23日、公共の場での銃の携行を制限したニューヨーク州法を違憲とする判断を示した。個人が自宅外で銃を持つ権利は、武器保有権を定めた憲法修正第2条で保障されているとする初の解釈。一方で上院は同日、相次ぐ乱射事件を受け超党派議員団が合意した銃規制法案を可決した。児童ら21人が犠牲になったテキサス州の小学校での事件から1カ月。米国内は銃規制の強化と緩和という、正反対の動きに分断されつつある。
 ニューヨーク州法は、個人が拳銃を公共の場で携行するには、銃を人目に触れさせないといった前提に加え、安全上の懸念があるなどの「正当な理由」に基づく免許が必要としている。最高裁は州法が「法を守り一般的な自衛を求める市民の権利行使を妨げる」と指摘。判事9人のうち、銃規制に後ろ向きな共和党のトランプ前大統領が指名した3人を含む保守派の6人が支持、リベラル派3人が反対した。
 最高裁の判断により、ニューヨークと同様の規制を持つカリフォルニアやニュージャージーなど少なくとも計6州で、拳銃を自宅外で持ち運ぶ際の条件が緩和される可能性が高い。
 銃規制を推進するバイデン大統領(民主党)は「深く失望している。この判断は常識と憲法に反している」と声明を出した。
 憲法修正第2条は「規律ある民兵団は、自由な国家の安全にとって必要であるから、国民が武器を保有し携行する権利は侵してはならない」との内容で、1791年に制定された。最高裁は2008年、同条について個人が自宅で銃を保有する権利を保障していると判断。今回はニューヨーク州の銃所持者や銃擁護団体が、州法は違憲と訴え提訴していた。
 一方、連邦議会上院は23日、共和党の一部の賛成を得て若年の銃購入者の犯罪歴確認を強化するなどの銃規制法案を賛成多数で可決した。殺傷力の高い銃器の禁止といった抜本的な改革は盛り込まれていないが、下院を通過して成立すれば連邦レベルで約30年ぶりの銃規制立法となる。

関連キーワード


おすすめ情報