感染症から人々を守りたい 害虫駆除に取り組む「鵬図商事」<挑む>

2022年6月26日 09時00分
 蚊を通じて広がる感染症から人々を守りたい―。害虫対策の専門商社「鵬図ほうと商事」の添野正宏社長(55)は「困っている時、すぐに頼れる一番の会社」を目指している。

環境を守りながらの害虫駆除について話す鵬図商事の添野正宏社長=大田区で

 2014年夏、海外渡航歴のない国内の男女がデング熱に感染したという報道があった。代々木公園(渋谷区)で蚊に刺され、感染した疑いがあることを知った添野社長は「何とかしなければ」とすぐさま対応に乗り出した。
 感染症対策は時間との勝負。商社として取引先企業にお願いする手段もあったが、調整には時間がかかるため、専門知識のある自社の社員2人の派遣を決めた。報道の翌日には東京都の協力を得ながら、公園内の蚊が発生しやすい場所に殺虫剤を散布。その後、国立感染症研究所が緊急で行った蚊のウイルス保有調査は全て陰性だった。
 感染症はいつ発生するか分からない。会社の倉庫には東京ドーム12個(56万4000平方メートル)に散布できる分の業務用殺虫剤を常備。備えは万全だ。
 今後は、デング熱患者の多いスリランカや東南アジアでドローンを活用した殺虫剤散布に注力する。殺虫剤は農薬や肥料と違い、局所的にまく必要があるため、正確に動かせる最新のドローンを導入する予定。スリランカ政府や関係企業と連携しながら、現地で実証実験を進めている。
 「商社は物を作る代わりに情報を扱っている。感染症の患者を一人でも減らせるように、必要な情報を必要な相手に提供していきたい」と意気込んだ。(大島晃平)

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