<参院選・ここに注目>支え合い、知恵求む 生活部長・鈴木久美子

2022年6月25日 05時59分
 東京・町田市国際版画美術館で開催中の企画展は、子どもから大人まで、戦後の日本の版画制作の軌跡をたどる初の展示だ。特に小学生がこれほど版画を作ってきた国は世界でもまれだそうで、生活を刻むことで社会を認識できるようにとの願いも込められていた。
 たとえば川崎市の小学校版画クラブ13人による大作「工場」は、高度成長期、分厚い煙と豆粒のように働く人々が彫り込まれ、感動すら覚える時代の記録。そうした「共同制作」の良さを、当時の大人はこう考えたという。「下絵を描く、彫る、刷る…プロセスがいろいろあるので、いろんな子に活躍の場がある」。どの子も関わることができる、つまり、どこかで救われるという知恵だ。
 翻って、コロナ禍も2年余の今。食用油が1.5倍などと物価の高騰が追い打ちをかけ、今月、NPO法人キッズドアが子育て中の困窮世帯千数百人から回答を得た調査では、半数が「大変苦しくなった」、3割が「肉や魚が買えない」。給食のない夏休みに向け同法人は支援の寄付を募り始めた。ちなみに食料自給率も37%と低空飛行だ。
 生活保護は行き渡らない。情報の格差もある。終日電話してもワクチン接種の予約が取れなかった高齢者はぼうぜんとしていた。
 投資を促されても収入に余剰のある人だけができる自助だ。公助、共助の薄い社会は殺伐として冷たい。
 せいを支え合う。国会議員も私たちも知恵の働かせどころではないか。

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