<ぎろんの森>杉並区長選と仏国民議会選

2022年6月25日 07時38分
 十九日投票の東京都杉並区長選で、四期目を目指す現職が敗れ、新人の岸本聡子さん=写真=が当選しました。同区初の女性区長誕生です。
 海の向こうに目を向ければ同じ十九日に投開票が行われたフランス国民議会選挙の決選投票で、マクロン大統領を支える中道の与党連合が、野党勢力の伸長で過半数を割りました。最大勢力は維持しましたが、多数派工作が不調に終われば、法案審議が困難に至る大打撃です。
 二つの選挙は規模も争点もまったく異なりますが、共通点があります。政治の現状への不満と投票率の上昇です。
 杉並では現職の長期区政や区議会軽視という不満を新人候補が吸収し、フランスでは物価高による政権への不満が野党の左派連合と極右・国民連合を押し上げました。
 投票率は、杉並で四年前の前回比5・5ポイント、フランスでも史上最低だった前回から3・6ポイント上昇しました。
 ともに政治に対する不満が有権者に投票を促し、一票一票の積み重ねが、政治に変化を迫ったと言えます。
 参院選は今、七月十日の投開票に向けて選挙戦の真っ最中です。本紙は公示日二十二日の社説「『じぶん争点』のすすめ」で「すべての公約や政策に同意する必要はありませんので、自分が重視する政策に絞って、考え方が近い、期待できる政策を掲げる政党や候補者に投票する方法」をお勧めしました。
 「何を基準に投票先を決めればいいか分からない」「投票しても何も変わらない」との声がよく聞かれますが、投票しなければ何も変えることができません。杉並とフランスでの変化は、投票すれば何かが変わるかもしれない、との勇気を与えてくれます。
 政党や候補者は自分たちに有利な争点を設定しようとしますが、有権者はそれにとらわれず、自分なりの争点を決めて投票すればいいのです。
 社説欄できのうから始まった「’22参院選」は、問うべきことを問い続けたい、という本紙なりの「じぶん争点」です。読者の皆さんに投票に行くきっかけや参考にしていただけたら幸いです。 (と)

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