ロシア飛び地への資材輸送を制限 EU加盟のリトアニアが制裁措置 ロシアは「深刻な報復」と警告

2022年6月25日 20時34分

ロシアの飛び地、カリーニングラード州からリトアニアの国境近くの駅に移動する貨物列車=22日(AP)

 【モスクワ=小柳悠志、パリ=谷悠己】欧州連合(EU)に加盟するリトアニアがEUによるロシア制裁の一環として、隣接するロシアの飛び地カリーニングラード州から資材などをリトアニア経由で輸送することを禁じた措置に対し、波紋が広がっている。ロシアは「深刻な報復」を宣言。侵攻から4カ月を迎える中、深刻化する欧ロ関係の新たな火種となりそうだ。
 独立系メディア・メドゥーザによると、バルト3国の一つであるリトアニアは18日、EUが対ロ制裁の対象とした品物を積んだ列車の通過を禁止し、21日からはトラックでの輸送も禁じた。同州の知事は、これまで輸送してきた品目の最大50%をロシア本土に運べなくなると主張。禁止対象は建設資材や化学製品などで、長期化すればロシア経済に悪影響が出る可能性がある。
 ロシアとEUはカリーニングラードとロシア本国間の貨物の自由な輸送を保証すると合意しており、ロシアのペスコフ大統領報道官は「完全に誤った措置だ」と批判。インタファクス通信によると、プーチン大統領側近のパトルシェフ安全保障会議書記は21日、報復措置が「リトアニア国民に深刻な影響を与えるだろう」と警告した。
 これに対し、EUのボレル外交安全保障上級代表は20日の会見で「制裁対象以外の品目の輸送は続いており完全封鎖ではない」と説明。AFP通信によると、ドイツ政府の広報官はロシアに対し「国際法を逸脱する報復措置を取らないよう求める」とけん制した。米国も、リトアニアが北大西洋条約機構(NATO)加盟国であることを強調して支援を表明した。
 カリーニングラードはかつてドイツ領だったが第2次大戦での対独戦に勝利した旧ソ連が獲得し、バルト3国がソ連から独立したことでロシアの飛び地となった。NATO加盟国のリトアニアとポーランドに挟まれていることから軍事的要衝となっている。

おすすめ情報

ウクライナ危機の新着

記事一覧