[砂だんご] 愛知県小牧市 大野裕枝(40)
2022年6月26日 08時20分
◆わたしの絵本
◆300文字小説 川又千秋監修
[モテ期到来] 名古屋市南区・会社員・52歳 三河満晴
春になって、モテ期到来。
家から庭に出ると、女の子が殺到します。
でも、全然うれしくない。
そこで、煙幕を使ったり、嫌がる香水をつけたりしますが、それでも猛攻されます。
耳元でささやかれたり。ボディータッチされたり。
不快でたまりません!
追い払おうと努力しても、キスの嵐を浴びせられます。
羨(うらや)ましいですか?
何の話かって?
蚊はメスが血を吸うそうです。
少し庭にいるだけで、何カ所もやられます。
春から秋まで、しつこく、何度もやられます。
こいつらには、モテたくない。
<評> 待ちに待った季節がやってきたのかと思いきや、これは、たまりません。向こうだって、この季節を逃すわけにはいかないので、相手構わず猛アタックをかけてきます。ひたすら逃げ回ってください。
[風は何色] 岐阜県中津川市・会社員・62歳 小川覚
天気の良い日。公園を散歩した。
風が流れてきた。なんて気持ちのいい風だろう。
空は青色。
雲は白色。
木々は緑色。
風は何色だろうか。
流れていく風は、目に見えない透明だろうか。
その中で、立ちすくむ私の心は何色か。モヤモヤしたハッキリしない灰色か。悩んで落ち込んでいる黒色か。
気持ちのいい風が、私の中を通り過ぎて行く時、透明の風が心の色を取り去っていく。徐々に黒色から灰色に、そして透明になっていく。
風に吹かれながら、私の心は、明るく、爽やかな、何色でもない透明になっていく。
傷付き、色付いた心の答えは、風の中にあった。
<評> マスクを手放せない日常が続くと、心の中には、どうしても濁ったモヤモヤが溜(た)まりがち。それを吹き払ってくれるのは、やはり、きれいに透き通った風の色。心置きなく深呼吸できる幸せを実感。
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