<取材ファイル>在日ネパール人「困った」 一部が不良化 傷害事件、金銭要求も

2019年12月4日 16時00分

ネパール料理店などが並ぶ東京・新大久保の繁華街。在日ネパール人同士のトラブルが増えている=東京都新宿区百人町で

 東京都内では今年、ネパール人同士の傷害事件が相次いだ。近年、在日ネパール人が急増する中、不良化した一部のグループがネパール料理店に無理やり金銭を要求するなどトラブルが増えている。在日ネパール人の料理店主らからは「在日ネパール人全体のイメージが悪くなるのでは」といった心配の声が上がる。 (西川正志、奥村圭吾)
 今年三月下旬の夜、港区の飲食店で、ネパール人が集まるパーティーが開かれた。午後八時、カウンターで酒を飲んでいた男(44)がいきなりグラスで客の四十代男性の顔面を殴打し、けがを負わせた。
 警視庁は五月、男を傷害容疑で逮捕した。男は品川区などを拠点とするグループ「ネパール・ジャパン・ユースクラブ」の幹部で、被害男性との間で数年前からトラブルを抱えていた。ユースクラブは二〇〇一年に結成され、三十代以上のネパール人数十人がメンバーという。
 六月には新宿区の新大久保を拠点とする「東京ブラザーズ」の男(26)ら四人が、区内の路上でネパール人男性を殴り、顔の骨を折る重傷を負わせたとして傷害容疑で逮捕された。
 捜査関係者によると、東京ブラザーズはユースクラブの幹部が数年前に結成。二十代を中心に数十人のメンバーがいる。グループはフットサル大会などのイベントを企画、運営。ネパール料理店などに協賛金や食品の提供を求め、拒まれると「店でけんかするぞ」と脅すなどしてトラブルになるケースがある。
 こうしたグループは、都内に五つほどあるといい、警視庁は「暴力的なグループを根付かせてはいけない」と警戒する。
 ネパール料理店を経営する男性(47)は「一店舗で五万~十万円くらい取られる。グループは一回のイベントで百万円以上の利益を得ている」と明かす。
 日本ネパール協会(東京都品川区)の小嶋光昭会長は「在日ネパール人は九万人規模に達している。日本社会や在日ネパール人コミュニティーの秩序を乱すグループがあることは残念で、由々しき事態だ」と話している。

◆在留8.9万人 10年で6倍

 日本で暮らすネパール人は昨年末約8万9000人で、10年前の2009年から約6倍に急増した。在留外国人全体の3.3%だが、前年から11.1%増え、ベトナム(26.1%増)、インドネシア(12.7%増)に次いで増加が目立つ。
 日本政府は08年に「外国人留学生30万人計画」を策定。留学ビザの発給要件を緩和し、親日国のネパールから来日する人が増えた。11年の東日本大震災後も日本語学校がネパールやベトナムの留学生を積極的に勧誘。今後は外国人労働者の受け入れ拡大で、さらに増加が見込まれる。
 一方で、警察庁によると、ネパール人の犯罪摘発件数は昨年301件で、09年から4倍に増加。外国人犯罪全体が減少する中、ネパール人は在留者が増えているのに合わせ、摘発件数の増加も目立っている。
 摘発されたネパール人を在留資格別でみると、留学が106人、特定活動32人、定住者8人、技能実習4人、日本人の配偶者等3人の順に多かった。

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