<国吉好弘の埼たまNOW>新監督迎えた大宮 勇気あるプレーで立て直せるか

2022年6月27日 07時54分

ホームの水戸ホーリーホック戦で指揮を執る相馬監督(中)(大宮アルディージャ提供)

 J2リーグは18日に行われた第22節で後半戦に突入した。大宮アルディージャはこの時点で22チーム中20位と、21位以下が降格となるギリギリにいる。
 クラブは5月25日の第18節、FC琉球戦を終えた時点で霜田正浩監督を解任、相馬直樹新監督を迎えた。相馬監督は昨シーズンまでJ1の強豪鹿島アントラーズを指揮し、それ以前には町田ゼルビア、川崎フロンターレの監督も務めた。現役時代にはサイドバックとして日本代表が初めてワールドカップ(W杯)出場を果たした1998年フランス大会でもレギュラーとしてプレーした豊富な経験を持つ指導者だ。特にJ3時代に就任した町田ではチームをJ2へ昇格させ、そこから4シーズン指揮を執るなど、J2での戦いをよく知る監督でもある。
 監督交代について原博実フットボール本部長は、第15節のいわてグルージャ盛岡にホームで0−1と敗れた試合で決断したと話す。「岩手戦は本当に残念な試合になってしまいました。このチームは少し良くなるとまた一つ元に戻ってしまうところがあって、激しさや厳しさがなじんでしまう。変えるには、アグレッシブで守備をしっかり構築できる新しい監督を呼ばないといけないと感じました」
 相馬監督は就任してわずか2日の練習で第19節の東京ヴェルディ戦に臨み、アウェーで先制される展開ながら後半に立て直して1−1の引き分けに持ち込んだ。しかし、続くホームでの水戸ホーリーホック戦は互角の展開ながらミスを突かれて0−2で敗戦。第21節のアウェーでのブラウブリッツ秋田戦では、押し込まれる展開ながら終盤に1点を奪って1−0で就任後初勝利を挙げた。そして第22節のジェフユナイテッド千葉戦ではCKから新里亮が先制点を挙げ、前半のうちに追いつかれたが、後半は相手の攻撃をしのぎ1−1の引き分けに持ち込んだ。
 相馬監督就任後の成績は1勝2分け1敗と五分の星を残し、4試合で勝ち点5と悪くない。しかし、内容は「ここから勝ち点を積み上げて(昇格プレーオフ圏内の)6位を目指したい」(相馬監督)という目標に向けては苦しいと言わざるを得ない。勝ち点を得た3試合でも主導権は相手に握られている。千葉戦も引き分けたとはいえシュート数は千葉の15本に対してアルディージャはわずか4本。ボール支配率でも62%対38%と圧倒された。
 相馬監督は「まず守備を立て直す。球際の厳しさの基準を二段階、三段階、四段階上げていかなければならない」として、トレーニングでもそういった部分を強調して戦う厳しさを植え付けようとしており、その点では改善の兆しも見える。しかし、その分攻撃は積極性に欠け、アイデアも乏しい。自分たちがボールを握る時間が少なく、効果的な展開に持ち込む前に失うことが多いのが現状だ。
 「マイボールの時間をどうやって作っていくのか。そのため一番は勇気を持ってプレーしないといけない、勇気を持てるようにしていくのが僕の仕事」と話し、攻撃への意識と自信を取り戻そうとしている。確かに個々の能力から考えればもっと良いプレーができるはずの選手がそろっている。「勇気」を持ってプレーできれば状況は好転するはずだ。だが、簡単なことではない。(サッカージャーナリスト)

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