【東京舞台さんぽ】「サザエさん」 美術館や銅像が彩る桜新町

2022年6月27日 14時32分

サザエさん

 東京都世田谷区桜新町は、国民的漫画「サザエさん」の舞台で、作者の長谷川町子さん(1920~92年)が長年暮らした街。ゆかりの美術館や、銅像が人気の商店街を訪ねた。(共同通信=近藤誠)
 戦前から活躍していた長谷川さんは、戦後に疎開先の福岡市から一家で上京。桜新町(当時は新町)に居を構え、サザエさんや「いじわるばあさん」などの代表作を手がけた。名刺を忘れたサザエさんが、「新町三丁目五一五」と自宅住所を書いた傘を開いて自己紹介する4こま漫画がある。
 家があった場所の近くに立つ「長谷川町子美術館」は、姉の毬子さんと買い集めた美術品を展示している。外壁に使われた特徴的なでこぼこのれんがは、自ら工場に足を運んで質感を指示したという。
 生誕100年を迎えた2020年には、業績や作品の魅力を伝える「長谷川町子記念館」が美術館そばにオープンした。貴重な原画や愛用した仕事机などを展示。サザエさんに登場する生活道具を配置した茶の間が設置され、漫画に描かれた50年代の暮らしがイメージできる。
 東急田園都市線桜新町駅から美術館へと至る商店街通りは「サザエさん通り」と呼ばれる。あちこちにあるイラストが、買い物客らを楽しませている。12年には駅出口や桜新町交番前にサザエさん一家の銅像が完成。波平の髪の毛が抜かれるいたずらで、全国的に有名になった。
 商店街は代替わりが進んで昔ながらの店は姿を消したものの、サザエさんに登場する鮮魚店「魚徳」は飲食店として営業を続けている。
 夫婦で店を営む三留一則さんは「ヒラメやタイなどの白身魚を(長谷川さん宅に)よく配達したけれど、対応するのはほとんどお手伝いさんだった」と振り返り、「授業風景が見たいと、姉が通う小学校に長谷川さんが取材に来たことがある」と教えてくれた。
 【メモ】福岡市早良区にも「サザエさん通り」がある。

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