<社説>猛暑と節電 熱中症対策を最優先で

2022年6月28日 07時06分
 関東甲信や東海地方などを猛暑が襲っている=写真、東京都内。梅雨明けの異例の早さに国は電力逼迫(ひっぱく)を訴えるが節電のために冷房を控えることは命に関わる。熱中症への備えを万全にしたい。
 経済産業省は二十六日、東京電力管内で初の「電力需給逼迫注意報」を発令した。電力供給の予備率低下が見込まれたためだ。
 経産省は発令に伴い家庭内での節電を改めて呼び掛けた。無駄な電力使用を控えるのは当然だが、冷房をめぐる節電には極めて慎重な配慮が必要だ。
 総務省によると今年五月に熱中症で救急搬送された約二千六百人のうち、発生場所については住居が約三割を占めた。搬送数が一層増えている六月も同様の傾向が続いている。
 熱中症は、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節が困難となって起きる。喉の渇きを感じないまま、室内で突然頭痛やふらつき、吐き気などを発症して倒れる事例もある。
 体温調節機能が落ちている高齢者や未発達な子どもは危険がより高い。ただ在宅勤務が普及する中、若い人が自宅での仕事中に発症することもあり、世代に関係なく油断できない。
 大切なのはこまめな水分補給とエアコンによる適切な気温設定だ。外出時には水分に加え日光を避ける工夫や休憩も欠かせない。
 国は節電のため二八度の室温設定を求めるが、家の通気の状態などでエアコンの設定通りに室温が保てるか不確実だ。古いエアコンだと性能が劣化している場合もある。水分の確保とエアコンの点検は常に心掛けてほしい。
 夜間に気温が下がらない場合、睡眠時のエアコン使用も念頭に置きたい。睡眠中は長時間水分が取れず、明け方などに熱中症になるケースが報告されているためだ。
 ウクライナ侵攻や円安による資源高で電気料金は跳ね上がっている。家計を守るため厳しい節電を余儀なくされている家庭も多い。
 だが、熱中症の危険に直面してまで節電するのは本末転倒だ。命を守ることを最優先に節電を呼び掛けるよう国には求めたい。 

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