<東京2020>動きだす物語 新国立競技場、きょう完成

2019年11月30日 02時00分

全工事が完了した新国立競技場=29日、東京都新宿区で(潟沼義樹撮影)

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場が三十日、東京都新宿区の旧競技場跡地に完成する。当初案の白紙撤回を経て、三十六カ月の短い工期で整備した。工費は千五百六十九億円で、政府が上限とした千五百九十億円を下回った。
 運営を担う日本スポーツ振興センター(JSC)が同日、大成建設などの共同事業体(JV)から引き渡しを受ける。十二月二十一日の記念イベントで一般にお披露目され、来年元日のサッカー天皇杯決勝が初の公式戦となる。
 スタジアムは地上五階、地下二階建てで約六万人の観客を収容。隈研吾氏が設計し、「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトに国産木材をふんだんに使った。座席は木漏れ日をイメージし、黄緑、茶など五色をモザイク状に配色した。
 観客席はバリアフリーを徹底し、車いす席五百、多目的トイレ九十三カ所を設置。陸上トラックは反発力と耐久性に優れたゴム製で、好記録が期待される。維持費は平均で年間二十四億円が見込まれ、事業収入の確保が課題。二〇年大会後は球技専用に改築し、運営権を民間事業者に売却する方針だったが、交渉が停滞している。
 当初案は、イラク出身のザハ・ハディド氏が設計し、観客席やフィールドを覆う開閉式屋根を備えていた。しかし、建物の巨大さや三千億円超とされた工費に批判が出て、政府は一五年七月に白紙撤回した。 (原田遼)

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