「退去の義務ない」と自主避難者が追加提訴 応急仮設住宅の終了後の福島県の対応巡り

2022年6月29日 19時01分
 東京電力福島第一原発事故を受け福島県の避難指示区域外から東京と埼玉に自主避難し、避難先の住宅からの退去を県に求められている住民らが、住居を明け渡す義務がないことなどの確認を求める訴えを29日、東京地裁に申し立てた。
 原告は、応急仮設住宅として提供された東京都江東区とさいたま市の国家公務員住宅で避難生活を送る10世帯。無償提供は2017年3月に打ち切られ、2年の緩和措置を経て、福島県が19年4月以降、住民に退去と家賃の約2倍の損害金の支払いを請求した。
 その後も住民が退去しないことから、県は6月の県議会に明け渡しと支払いを求めて提訴する議案を提出、可決の見通しとなっている。住民らは今年3月、請求によって精神的苦痛を受けたとして、県に計1100万円の損害賠償を求める訴訟を起こしており、今回訴えを追加。「国際人権法は国内避難民に居住権を保障しており、退去や損害金の支払い義務はない」と主張している。
 原告の40代の男性は提訴後の記者会見で「避難先の東京で派遣の仕事を始め、収入が安定しない中、立ち退きを求められた。福島県の親族にも恐喝のような催促をされ、提訴せざるを得ない」と訴えた。県は「訴状が届いておらず内容を把握していない。事実関係を確認し、対応する」とコメントした。(小沢慧一)

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