マルコス新大統領が30日就任 ドゥテルテ路線を継続の公算 対中政策は衝突を避けつつ実利狙いか

2022年6月29日 20時14分
 【バンコク=岩崎健太朗】フィリピンで30日、ドゥテルテ大統領(77)が6年の任期を終えて退任し、フェルディナンド・マルコス氏(64)が新大統領に就任する。積極的なインフラ整備や治安対策、中国への融和外交など現政権の路線がおおむね踏襲される見通しだが、新型コロナウイルス禍による経済疲弊や物価高騰などへの即効的な対策が求められる。
 現地メディアによると、マルコス氏は5月の大統領選で圧勝して以降、閣僚らの任命を着々と進め、「経済回復」に注力すると強調。複数の要職に実績ある経験者を起用するほか、自ら農相を兼務し国民生活と密接な農業分野を重視する姿勢をアピールしている。

19日、フィリピン・ダバオで、副大統領の就任式に出席するフィリピン次期大統領のマルコス氏(右から2人目)と大統領を退任するドゥテルテ氏(左から2人目)=AP

 南シナ海で領有権争いを抱える中国に対しては「主権に交渉の余地はなく、妥協しない」とする一方、「最強のパートナーだ」と持ち上げるなど、ドゥテルテ氏同様に核心をつかませない発言がみられ、衝突を避けつつ実利を得たい思惑がのぞく。
 マルコス氏は記者会見などで不都合な質問に答えない場面が散見された。政権の説明責任が問われた際のメディア対応も焦点となりそうだ。
 退任するドゥテルテ氏は、薬物の取り締まりを名目に超法規的な殺人もいとわない「麻薬戦争」を進め、欧米から人権侵害と批判された。ただ、直近の世論調査では支持率が7割を超え、なお人気が高い。
 長女サラ氏は副大統領に就き、一時は確執が伝えられたマルコス氏にも「国をよりよい未来に導こうとする政権に、われわれすべての支援と連帯を」とエールを送る。新政権に影響力を残し、麻薬戦争を巡る国際刑事裁判所(ICC)などの追及をかわすもくろみとみられる。引退後は、地元ダバオ市に戻り「隠居して家族と過ごす」という。

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