実質賃金、各党どう引き上げるのか 最低賃金額 明示するか否かで対応分かれる

2022年6月30日 06時00分
参院選「公約点検」 ②賃上げと雇用
 30年近く上昇していない実質賃金をどう引き上げるかは、国民の最大の関心事だ。生鮮食品を除く消費者物価指数の上昇率が2カ月連続で、前年同月に比べて2%を超えた一方、4月の実質賃金は前年同月比1.7%減。賃金は上がらないのに、物価だけ高くなって、くらしは苦しくなるばかり。対症療法でない持続的な賃上げ・雇用政策が求められている。
 自民党は公約に「人への投資を促進し、25年ぶりの本格的な賃金増時代を創る」と記載した。男女賃金格差解消、最低賃金(最賃)引き上げなどを掲げる。岸田文雄首相は「賃上げの呼び水となる政策が必要」として賃上げ促進税制などを挙げ「公共調達や補助金においても賃上げを優先した企業を優遇する」と訴える。
 公明党は賃上げを実現する方法として、賃上げに取り組む中小企業への補助金等の拡充のほか、客観的データを基に適正な賃上げ水準を示す第3者委員会の設置を訴える。立憲民主党は、中小零細企業に公的助成をしながら段階的に引き上げると主張。共産党は大企業の内部留保に時限的に課税し中小企業支援に充てると提唱した。
 れいわ新選組は岸田政権が掲げた介護・保育従事者の月9000円賃上げでは不十分だとして、月給10万円アップを提唱。NHK党は国民の経済活動をより自由にするための規制緩和を訴える。
 最賃を引き上げると掲げる政党は多いが、金額を明記している党と明記しない党に分かれる。
 自民は2019年参院選で「最低賃金1000円」と掲げていたが、今回は目標額を明示していない。日本維新の会とN党は最賃の記載はない。
 公明は現在の全国平均930円から、2020年代前半には1000円超を目指す。立民、共産、社民党、れいわは1500円への引き上げを主張。国民民主党は「全国どこでも1150円以上」を掲げた。
 賃上げを含む家計への支援策でみると、物価高でも年金が減る年金生活者の厳しい状況を踏まえ、立民の泉健太代表は「政府の物価高対策に年金の対策がない」と批判。公約に「当面、低所得の年金生活者向けの給付金を手厚くする」とした。維新は生活に必要な最低限の金額を一律給付する「ベーシックインカム」の導入を主張。国民は給付と所得税の還付を組み合わせた「給付付き税額控除」の導入による基礎的所得の保障を主張する。(坂田奈央)

おすすめ情報