参院選 相次ぐ値上げ、困ってます 要る物だけ買う/冷凍野菜を活用/「ポイ活」に励む

2022年6月30日 05時59分

買い物客が行き交う大須商店街=名古屋市で

 食品、ガソリン、光熱費など、生活に欠かせない品目が幅広く値上がりする昨今。参院選では各党が物価高対策を訴えるが、先行きは見通せない。相次ぐ物価の上昇、どう乗り切るか−。街の声を聞いた。
 約千二百店舗が連なる名古屋市中区の大須商店街。夫と娘と来ていた主婦(49)は「日用品全般に値上げを感じる」とため息をつく。飲食店のメニューも高くなったと感じるが、子どもが外食を楽しみにしているため、外食の回数は削っていない。その代わりに普段、飲み物は自動販売機で買わず、なるべくスーパーで箱売りのお茶をまとめ買いするなど、地道に節約に取り組んでいる。
 買い物途中の別の主婦(42)が特に値上がりを感じているのは、タマネギ。「料理でよく使うので非常に困る」。今まではあまり値段を意識せず買い物していたが、「今は何が必要か考えてから買い物に行く。高いと思ったら我慢することが増えた」と話す。
 最寄りの地下鉄駅出口近くで信号待ちをしていたアパレル店員の女性(22)も「特に食品や野菜の値上がりが気になる」。最近は、長持ちする冷凍のカット野菜を多用したり、比較的安価な業務用スーパーで一度に大量の野菜を買い込んだりしているという。
 名古屋・栄の複合施設オアシス21を訪れた会社員女性(34)は、三歳と一歳の子どもにホットケーキをよく作るため「ホットケーキミックスの値上がりが困る」と嘆く。「子どもの健康のため、栄養価は落としたくない」と、安売りの日に買い物に行くなどして、食事の内容は変えないように苦心。また、ガソリンをあまり使わないように、電車や徒歩で行ける範囲で子どもたちを遊びに連れて行くようにしている。
 「本当に欲しいものだけ買うようになった」と話すのは、就職活動中の女子大学生(22)。節約のため、似たような服を新品で買うことをやめ、安価な古着でファッションを楽しむようになったという。
 愛知県豊橋市の主婦(65)は、現金での支払いを控え、電子マネーやクレジットカードなどキャッシュレス決済中心の生活に変えた。ポイントをためて次の買い物に利用する「ポイ活」で、相次ぐ値上げを乗り切ろうと考えている。 (鬼頭穂高、木村光希、岩田恵実、太田響子、甲斐崎颯斗)

◆食品高騰、あと1年は続く 専門家 国産食材で賢くやりくり

 さまざまなデータからも、消費者の節約意識の高まりは見て取れる。
 総務省が公表した四月の家計調査によると、二人以上の世帯の消費支出は三十万四千五百十円で、物価変動の影響を除いた実質では前年同月と比べて1・7%減少。特に食料品の落ち込みが目立っている。
 家計簿アプリ運営会社「マネーフォワード」(東京)が四月に実施した調査では、「物価上昇を実感している」と答えたアプリ利用者九百九十一人のうち、77%が「節約意識が高まった」と回答。実際に変えた行動として、ついで買いを減らす(41%)、株や投資信託を始める(33%)、ポイントがたまりやすい店舗を選ぶ(同)、光熱費を見直す(32%)が挙げられた。
 帝国データバンクによると、今月一日時点で主要メーカー百五社が値上げした、または十二月までに値上げする予定の食品は一万七百八十九品目。特にカップラーメン、ハム・ソーセージといった加工食品や、酒類・飲料が目立つ。平均値上げ率は13%に上り、家計には大きな打撃となっている。
 物価高はいつまで続くのか。明治安田総合研究所フェローチーフエコノミストの小玉祐一さん=写真=は「原油などのエネルギー価格はウクライナ情勢次第で落ち着く可能性はあるが、食品の高騰は、少なくともあと一年くらいは続く可能性が高い」と分析する。政府の輸入小麦の売り渡し価格が十月の改定で「三割ほど上がってもおかしくない状況」だからだ。現状の小麦製品の値上がりは四月の価格改定で上がった分が影響している状況で、十月の改定後、さらに値上がりする可能性があると指摘する。
 政府は、ガソリン価格を抑える補助金を講じたほか、肥料の値上がり緩和のための支援金、節電した家庭へのポイント制度などを打ち出している。小玉さんは「この物価高は消費者への影響が非常に大きい。財政状況も勘案した上で、効果的な政策が求められる」。
 一方で、「消費者も賢くやりくりする必要がある」とも。例えば、食品では小麦や原油価格の影響を受けやすいパンや加工食品と比べて、米など国産食材の価格は上がっていない。「値上げ幅が大きくないものを探し、家計を守っていくしかない」と呼びかける。 (熊崎未奈)

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