確実な安全、保証なく 女川原発 新基準「適合」

2019年11月27日 16時00分
 過去にも地震と津波に繰り返し襲われてきた宮城県に立地する東北電力女川(おながわ)原発2号機が、再稼働の条件の一つを事実上クリアした。原子力規制委員会が原発の新規制基準に「適合」と判断したのは、女川2号機で九原発十六基目。 (小川慎一)
 東京電力福島第一原発事故後にできた新基準は、地震と津波対策を強化した。このため、地震と津波の危険性が高い太平洋沿いの原発の審査には長期間を要している。昨年、新基準に適合した日本原子力発電の東海第二(茨城県)は四年超を要した。中部電力浜岡4号機(静岡県)は五年半以上審査が続き、終了が見通せない。
 審査に時間をかけても、原発の安全性を確実に保証するわけではない。東日本大震災では政府や電力会社の「想定外」の津波が福島第一に襲来し、甚大な被害を出した。
 今も多くの人が避難生活を強いられている中で、規制委が被災原発の地震、津波対策を妥当とし、再稼働を容認した判断の責任は極めて重い。
 これまでに規制委の審査で新基準に適合し、再稼働した原発は五原発九基で、全て西日本に立地する。ただ、これらもテロ対策施設の完成が期限に間に合わなければ、今後は施設ができるまで動かせなくなる。九州電力川内(せんだい)1号機(鹿児島県)は二〇二〇年三月、2号機は五月に八~九カ月間停止。関西電力高浜3号機(福井県)は同年八月、4号機は十月に停止する見通しとなっている。
 規制委は七原発十一基を審査中。審査が先行する北海道電力泊(とまり)3号機は、敷地内の断層が地震を引き起こす「活断層」であるかどうかの結論が出ていない。

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