終末期の備え、お笑いで啓発? 厚労省 患者ら抗議、ポスター発送中止

2019年11月27日 02時00分
 厚生労働省は二十六日、人生の最終段階の終末期にどのような医療やケアを受けるか事前に家族や医師と話し合っておくよう啓発するポスター=写真=について、「家族を傷つける」と患者団体などから批判を受け、予定していた自治体への発送を中止した。二十五日に公表したばかりだった。PR動画の公開見合わせも検討する。
 家族らとの事前の話し合いは「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」と呼ばれ、厚労省は昨秋に「人生会議」という愛称を付けた。ポスターなどは吉本興業に委託して作成した。
 ポスターでは、お笑い芸人の小籔千豊(こやぶかずとよ)さんが病院のベッドに横たわる患者を演じた。「大事なこと何にも伝えてなかったわ」などと、元気なうちに家族と十分に話し合っていなかったため、自分の気持ちが正しく伝わらなかったとして「人生会議」の必要性を呼びかけた。卵巣がんの患者の支援団体「スマイリー」は「患者の気持ちを考えたのか」などと指摘する抗議文を厚労省に提出。インターネット上でも「何でも面白くすればいいという感じがする」といった書き込みが相次いだ。
 一方「なぜ抗議されるのか。自分には“刺さる”ポスターだ」と好意的に受け止める声もあった。
 スキルス胃がんの患者や家族を支援する「希望の会」の轟(とどろき)浩美理事長は「患者や遺族の立場からすると胸が痛む表現があった。人生会議はとても良い取り組みなので、今後より良く伝えていく方法を検討してほしい」と取材に語った。

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