氷河期世代を国家公務員に 中途枠で順次採用へ

2019年11月27日 02時00分

就職氷河期世代支援の官民会議初会合に臨む安倍首相(右手前から3人目)=26日、首相官邸で

 政府は二十六日、バブル崩壊後に就職難だった三十代半ばから四十代半ばの就職氷河期世代の就労支援に向け、国家公務員の中途採用枠で重点的に採用することを決めた。当事者団体や有識者らによる官民連携会議の初会合を首相官邸で開催。安倍晋三首相は「本年度から具体的に取り組む」として関係閣僚に採用や支援に関する行動計画の取りまとめを指示した。近く策定する経済対策に支援策を盛り込み、就労を促す取り組みのための基金も創設する方向で調整する。
 政府は非正規労働者や引きこもりの状況にある約百万人を対象に三年間で正規雇用を三十万人増やす目標を掲げる。背景には、不安定な就業環境で高齢化すれば将来の社会保障費の増大を引き起こすとの懸念がある。目標達成には国家公務員での重点採用も不可欠と判断。公務員での採用を積極的に打ち出すことで地方自治体や民間企業への相乗効果や波及効果を見込む。
 年末の予算編成過程を踏まえ、政府は年内に行動計画を作成する。準備が整った省庁から順次採用を始める方針だ。
 就職氷河期世代の支援を目的とした中途採用は兵庫県宝塚市など地方自治体の一部が既に実施している。
 この日の会議で、引きこもりの人や家族らでつくる「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」の伊藤正俊氏は「当事者や家族の思いに寄り添ったきめ細かなケアが重要」と強調。連合の相原康伸事務局長は「時間をかけて、丁寧に対応していくことが必要だ」とくぎを刺した。愛知県の大村秀章知事は「地方が創意工夫して取り組めるよう後押ししてほしい」と述べ、国の財政支援の必要性を指摘。政府は使い道が柔軟な基金を創設することで自治体に多様な支援を促したい考えだ。
 氷河期世代は一九九〇年代半ばから約十年間に社会に出た人たちを指す。政府は今年六月にまとめた経済財政運営の指針「骨太方針」で集中支援を打ち出した。

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